「メンタリストと奇術師のハイブリッド」ナイトメア・アリー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
メンタリストと奇術師のハイブリッド
この映画を観た日本人のうち、DaiGo(メンタリストの方)を思い浮かべる人は多い気がする。相手の状況を観察しながらどんなことを考えているのか、どんなバックグラウンドがあるのかを推察する。本作で読心術と呼ばれているワザは、彼のおかげで結構馴染みのものになっていた(いや、もちろんその前からそんなものは存在して、テレビをはじめいろんなところで披露されていたけど)。本作のスタンは心理学的なアプローチもあるけど、パートナーとのサインを交わす手法は奇術的なものもあわせたハイブリッド。伝統的な騙しのテクニックとも言える。
でも、心理学的なアプローチで人のことを推察する段階からならまだしも、霊能的なメソッドで人の心の隙に入り込もうとするとそれはもう詐欺になる。それで救われる人もいるかもしれない。そんなシーンもあることにはあった。でも、それをそのままにしないのがデル・トロ監督(単純に原作がそんな話なのかもしれないけど)。あの夫婦のくだりはちょっと驚いた。
何の話なんだろう?って思いながら、後半の展開で目が離せなくなり、最後のシーンでなるほど!と唸ってしまった。個人的にこんな話が好きだから評価が少し高めだが、万人受けするとは思えない。
でも、DaiGoがスタンの衣装を着て、試写会で読心術的なワザを披露する姿を見れば、もっと一般受けするかもしれない。もちろん、そんな試写会は開催されていないのだが。
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