「時間が経つにつれてより面白く思えてきた…」ナイトメア・アリー RT65さんの映画レビュー(感想・評価)
時間が経つにつれてより面白く思えてきた…
フリークショウな前半とケイト・ブランシェットをファムファタルとしたフィルム・ノアールな後半、テイストの全く異なる話が語られるのだが、全体を貫いているのが〝獣人〟。獣人をキーワードに全体が微妙に入れ子構造になっている。
ブラッドリー・クーパー演じるスタンは獣人の口上に釣られカーニバルへと入って行く。そこで座長の口から語られる「獣人の作り方」を後半でブランシェットが実践して行く…。
タイトルが示す通りスタンは〝悪夢の小道〟にはまり込んでしまうのだが、その悪夢は誰が見ている悪夢なのだろうか…?
全く救いの無い暗く重い話なので好き嫌いは分かれると思うが、スルメみたいな魅力が有り、時間が経つにつれ段々面白さが見えて来る作品である…。
NOBU様 メッセージありがとうございます。
前半と後半でテイストが全く変わるのが小気味良いですよね。どちらかがどちらかの悪夢なのかも知れないとさえ思ってしまいます。
ラストで自分の運命を悟り、涙ながらに受け入れるスタンが印象的でした。そこがやはり入れ子構造になっていて、それで彼は獣人に同情的だったんだなとも思いました。
こちらこそ宜しくお願いいたします。
今晩は。
”フリークショウな前半とケイト・ブランシェットをファムファタルとしたフィルム・ノアールな後半”
仰る通りで、この前後半の対比がこの作品の大きな魅力だと、私は思いました。スタンが、フリークショウの中で、読心術を学び虚構の地位を築き、後半ケイト・ブランシェット演じる精神科医リッターに砂上の楼閣を崩される様は、正に蠱惑的な悪夢小路に迷い込んだ自業自得の男の運命をギレルモ監督が、彼独自のダークテイスト溢れる世界観で描き出した物語だなあ、と思った次第です。
では、又。
これからもよろしくお願いします。