「アホが見る正義のケツ〜♪」KAPPEI カッペイ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
アホが見る正義のケツ〜♪
予告の時点でまぁ〜なんてヤバい映画なんでしょうか〜と不安半分期待半分の状態で鑑賞。
予想を超えてくるトチ狂った映画でした。こんなに芸歴を重ねた俳優たちが恥じらい全部捨てて体当たりの演技をする姿がもはや清々しかったです。
伊藤英明さん扮する勝平が鍛え上げている体で短パンとピチピチのデニムで街を闊歩する姿、想いを寄せているハルに猛アタックしたり、場所を弁えず恥ずかしい事を聞いたりとやりたい放題の姿がもう最高でした。車に轢かれたまま告白したり、スカートを覗き見したり、名優にこんな事をやらせる製作陣も潔いですが、舞台挨拶などで愚痴をこぼしつつもしっかり演じ切った伊藤さんに拍手喝采です。
守を演じた大貫勇輔さんもサスペンダーを直に肌に身につけていたり、素晴らしいダンスを見せてくださったり、この方もこの方で暴れ回っていました。この人は何故か後半になるに連れ不思議と常識人に見えてきました。
正義を演じた山本耕史さん、いつものワイルドなカッコ良さのイメージが全部吹き飛んでしまうくらい体当たりの演技でした。自身の尻を叩いて自分を鼓舞したり、ノリノリに尾崎にハマっていたり、中学生に混じってガラス割りまくるし、とヤンチャにも程がある暴れっぷりでした。ピッチピチのスーツを着ているのも衝撃的でゲラゲラ笑ってしまいました。
英雄を演じた小沢征悦さんも十二分に暴れ回っていました。常識人っぽく登場したけれど横から見たら髪型がアレな状態ですし、こっちもこっちでハルに惚れてしまって、勝平と共に恋バナにうつつを抜かしたり、告白するタイミングでフラッシュモブを仕掛けたりと、まぁやりたい放題でした。ダンディなイメージとは一変、ヤバいオジサンに見えてきました。今後も影響しそうです笑
そんな終末の戦士たちを家に寝泊まりさせたりしながら振り回されている啓太を演じた西畑大吾さん、演技自体は初めて見たのですが、とても上手でびっくりしました。ちゃんとツッコミ役がいるのもあり、ヤバい奴ら同士の暴れっぷりの緩衝材となっていてとても良かったです。ぜひ今後も出演の作品を見てみたいと思いました。
師範を演じた古田新太さんもただのスケベ親父でしたし、半年前に怒れる父親、3ヶ月前に仮面ライダーに変身していた人がこんな役を演じるなんて…素晴らしいです!ナイスなコメディリリーフでした。
そしてハルを演じた上白石萌歌さん。もう可愛すぎました。最初の振り向きざまに見せるハッとした顔、とびきりの笑顔、泣き顔、困惑した表情、どれをとってもこれは惚れてしまうわと思えるくらい可愛かったです。
他にも仕事を全くせずに週末の戦士の解説をしてくれる警察官2人、キレッキレのダンスを魅せてくれるかなで(3時のヒロイン)とメンディー、ツッパリを演じつつ過去作をイジられる鈴木福くん、やられ役としてのインパクトが素晴らしいマテンロウの2人と、脇を固める面子も物語に花を添えてくれていました。
前半は飛ばしまくっていたギャグについていけたのですが、後半になると徐々に胃もたれしてきたのは尺の問題があったかなと思います。復唱するセリフも多いもなるとくどいと感じてしまいましたし、最後は思いっきりぶん投げエンドなのは面白いは面白いのですが、もう少ししっかり地に足つけて欲しかったなと思いました。あと脚本家が某かぐや様の映画の人と一緒なのもあってペーパー師匠が今作にも出ているのですが、別にいりませんでしたし、あそこは削ってもらって構いません。
どう転ぶのかとは畏怖していましたが、良い方に転がって存分に楽しめる作品でした。キェェェェェェェイ!
鑑賞日 3/21
鑑賞時間 12:00〜14:10
座席 O-9