「PG12扱いなのでそこそこきついが、今週の韓国映画としてはこちら。」ただ悪より救いたまえ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
PG12扱いなのでそこそこきついが、今週の韓国映画としてはこちら。
今年211本目(合計275本目)。
この映画、ずーっとなんばパークスシネマさんで予告編流していたので、そこなのかな(ここは6回有料鑑賞すると、1本無料になる)と思ったのですが、シネマート心斎橋さん(韓国・中国映画等を主に扱うミニシアター)案件でした。
ということで、こちら。
日本まで出てくる映画な割に、物語の後半はタイで、タイでの色々なムチャクチャな殴り合いが始まります(この映画のタイトルの通り、もう出てくる人が誰も信用ならないというか、どす黒い人「しか」いないという…)。
内容としても、PG12扱いという事情から流血表現などもありますが、腎臓などの売買問題まで扱っており、そこまで手を広げるのはさすが韓国映画という印象です。日本と韓国は今はあまり仲がよくないのが現状ですが(もっとも、韓国も今はまた新型感染者数が急増中とのこと)、エンターテインメントの中では仲良くしてほしいものです。
この「タイに行ってからのお話」が物語の大半を占めるのですが(序盤にはパナマまで出てくる)、そこでの物語もネタ(性適合手術をする(もう受けた?)男性のネタなど)が結構多くて、決して「笑って楽しむストーリー」ではないのですが(タイトル通り、誰も救われないというか、出る人みんな殴り合いという状況…)、そこは単純にそれだけでは話がもたないので、色々そういう「ネタ」も混ぜてきたのかな…と思います。
まぁ、PG12扱いであることと、子供の誘拐や手術(かなり生々しい描写も出る)もあるので、「ある程度は」人を選びそうな気がしますが、ここはここでも結構情報は出ているかと思いますし、PG12扱いなので抑え目で、まぁ迷ったらこちらかなという気がします。
採点は下記を考慮しました。
----------------------------------------------------
(減点0.2)この映画、上述通り、最初こそ日本も出ますが(日本人も多数出る)、舞台の後半はタイであり、話されている言語としては「韓国語」「日本語」「タイ語」「英語」(ほかにもあったっけ?)と結構多いのですが、日本語のみ字幕なし、ほかはすべて字幕ありという映画です。
ただ、もとは韓国映画なので、韓国語を基準として、それ以外の言語は<~~>でくくるのが一般的な書き方ではなかったかと思うのですが、そうなっていないため、やや面食らう部分はあります。といっても、タイ語と英語なら韓国語と一目見て違うのは明らかなので(発音も聞いただけでも違うことはわかる)、「混乱は生じうるが理解に妨げは少ない」状況です。
(減点0.6) 深刻なのはこちらで、舞台の大半はタイで、タイではタイ語を話している部分もありますが(タイ人どうしの場合)、韓国映画なので、通訳を頼むシーン以外はほぼ国際共通語の英語です。
そこで「この周辺は全部俺たちの縄張りなんだ」という部分で、 This area belongs to us. という部分があります。これ自体は何ら「文法的には」間違っていないのですが、「およそそういう言い方はしない」表現です。英検3級くらいでももう少し妥当な表現を出してくるんじゃないか…と思えます。
(※) ただ、ここは、日本が海外にスーパーファミコンなどのソフトを海外進出したとき(1990年ごろ)以降、いわゆる黎明期で、機械翻訳すら支離滅裂で役に立たなかった本当に黎明期だったころ、「ゼロウイング」というゲームの「君たちの基地は、我々がすべていただいた」という英語版が All your base are belong to us. になっていた(本当に意味がわからず、海外では笑いものにされた上に、一種のインターネットミームと化した)ことは史実として存在し、それをオマージュか何かで意識したもの(この英文は文法的に支離滅裂ですが、 all your bases belong to us. なら「そういう言い方はネイティブは絶対にしないが、文法的には一応正しい」扱い)ではないか…とも思えます。
ただ、それをネタにした可能性は3~4割くらいで、さらに日本では英検4~5級くらいのレベルのミスも続出するので(疑問詞を含む文構造がおかしい、動詞がない文、存在しない過去形など)、英語は「聴かないほうがどう考えてもマシ」なレベルになってて(字幕があるので)、それを手がかりにしようとすると「本当に理解不能」になってしまいます。
日本と並んでTOEICの教育に熱心は韓国でこのレベルって本当にいいんでしょうか…。
----------------------------------------------------