「心に深く刻まれるほど現実的で共鳴してしまった素晴らしい作品」ちょっと思い出しただけ Yujiさんの映画レビュー(感想・評価)
心に深く刻まれるほど現実的で共鳴してしまった素晴らしい作品
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「花束みたいな恋をした」「明け方の若者たち」そして「ちょっと思い出しただけ」...。昨年から立て続けに、現実的なシチュエーションで描かれたラブストーリーが多いが、この作品は特に印象深いが為、瞼に焼き付くほど今後も記憶として残りそうです。一連の、どの作品も悲しみや寂しさ、重さを感じるものがありますが、決して後味が悪いとか滅入る作品でないのは、共鳴する題材で描かれており、他人事のような話や夢のような物語ではないからだと思います。「花束みたいな恋をした」は幸せ過ぎる恋愛から時と共に歯車のズレを描いた作品、「明け方の若者たち」は不倫の先に待ち受ける現実を描いた作品、そして今回のような「ちょっと思い出しただけ」のように、どんなに好きでも一緒になれない運命を辿ってしまう作品は、以前大ヒットし実際にもハッピーエンドとなった「糸」とは違い、職業や状況など映画とは別物でも、近い人生を歩んできた人は少なからず居るはずです。私もその一人故に凄く共鳴しました。物語の中で、時間が前後したりしますが、決して判りずらいとかは無く、自然に物語が描かれ流れていきます。最終的に思うように行かないラブストーリーかも知れませんがラストの描写は最高です。2時間以上の上映時間ですが1度たりとも眠気に襲われるようなことはありませんでした。とにかく、今は幸せなんだけど過去を引きずっている人、でも過去には絶対戻れない・戻らない人、ぜひ観て下さい。
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