「胸を掴まれる映画」ちょっと思い出しただけ のんさんの映画レビュー(感想・評価)
胸を掴まれる映画
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胸をぎゅっと掴まれる作品。
本当に観て良かったなと思った。
現在から過去に遡るから、過去のキラキラが本当に切ない。思い出した時のふたりもそんな気持ちかな、と思った。
主演のおふたりの演技が本当にナチュラルで、リアルで、ふたりの気持ちが手に取るように感じられて素晴らしかった。
付き合って、別れる。そんなありふれたカップルなのに、なんでこんなに胸を掴まれるんでしょう…ふたりが嫌い合ったわけでもなく、ほんの少しのすれ違いだと第三者的にはわかるからなのか。
タイトルから惹かれた映画。
ありふれた付き合いたてのカップルの、楽しそうなありふれた場面がとにかく苦しい。このありふれた、些細な、ふたりにとって日常が、当たり前でないとわかって観ているからなのかもしれない。
これもありふれた言葉だけど、当たり前の日常なんてない、とわかってしまった今の私たちだからこそ響いたのかもしれない。
そして、人と人との関係って、日々に、人生に大きく占める、どうしようもなく大切なものなんだなと改めて思った。誰と過ごすかによって、どんな経験をするかはまったく違うし、誰と過ごすことどどんな未来があるのかはわからないんだけれど。
タクシー運転手は行きたいところのない自分が、だれかを目的地に連れてくことで自分もどこかへ向かう、という考え方が好きだなと思った。あと、國村さん演じるバーの店主、アーティストの尾崎世界観さんもすごくよかった。
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