パーフェクト・ケアのレビュー・感想・評価
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Toughness
[Alexandros]の川上洋平さんがコラムの方で絶賛されていたので気になり鑑賞。予告をたびたび見ていましたが、配信と同時に3週間限定で劇場公開というのでしっかり覚えていました。休日ということもあり中々の混み具合でした。
まずロザムンド・パイクが演じるマーラの物怖じしない態度が最高にイカれていました。人の死を悔やむわけもなくビジネスが成り立たないと愚痴を吐き捨てますし、新たなターゲットを問答無用で老人ホーム送りにするなど大胆不敵で容赦が一切なく、観客サイドの共感なんてクソ喰らえと思っていそうなくらいの良いキャラでした。ターゲットにされたジェニファーが可哀想だなと思う前に刑務所送りのように老人ホームへと追い出し、ジェニファー宅の家財を漁り、金庫を開け、豪遊するという暴れっぷりです。
ただジェニファーの後ろにはロシアンマフィアがいるという一転してピンチに陥りますが、あの手この手でピンチを切り抜け、咄嗟のアイデアで死の淵まで乗り切る始末です。それでもそんなマーラでも油断してとっ捕まえられて気絶させられ、車に乗せさせ、池に突っ込み、事故に見せかけられるというマフィアも悪者らしい事するなぁと感心してしまったくらいです。でもそんな大事故からも火事場の馬鹿力を発揮し、生き延びるというこの人はなんとタフなんだろう。カッコよすぎました。
その後マフィアに報復をうまいことしかけますが、基本的に相手を気絶させる手段がスタンガン一択なのは何回も使っていると飽きがきてしまいます。あとこれは両者に言えるのですが、殺す際のツメが甘すぎて基本的に生きてるというのもなんだかなぁという感じです。
そこから新ビジネスに繋げたマーラですが、冒頭に騙し切った女性の息子からの弾丸を受け死ぬという、バッドエンドでありながらも、これまでの行動を見てみれば天誅、仕方ないなと思ってしまいました。割とこの手の作品のオチとしては普通なものだなと思いました。
あとLGBTQを盛り込んでいる割には、ストーリーに活きていないように思えました。この御時世多くの映画にLGBTQの要素が入っていますが、しっかり考えた上で入れて欲しいなと思いました。
でもトータルして見ればとても楽しいサスペンスとコメディが融合した作品に仕上がっていました。黒い笑いが多いですが、マーラのテンションが上手いこと引っ張ってくれているので安心して身を任せることができました。配信の方でも見れるみたいなのでまた見てみようと思います。
鑑賞日 12/12
鑑賞時間 13:20〜15:25
座席 E-16
タイトルなし(ネタバレ)
近場で公開されてなくて、遠出の鑑賞となったけど面白かった!
黒幕にゲーム・オブ・スローンズで知った小さいオジサンが出てきて、それも良かった。体は小さいけれど、彼の表情とか演技は好きだ。
さて、ストーリーを簡単に。
主人公マーラは老人介護の後見人の仕事を経営していて順調のようだ。パートナーのフランとよく行動している。マーラとフランは女性であるが恋愛関係にある。
マーラの後見人の仕事は老人の保護のためではなく、お金をむしり取るためだ。老人の後見人となったら、家を勝手に売ったりしてしまう。老人の介護費を賄うため、という論理が合法的だそう。
ある日、突然老人が亡くなってしまったのでマーラは病院の医師と結託して、期待の老人を介護施設に送り込み、彼女の後見人となる。
期待の老人というのは、たくさんの金や資産を持っていて、親族などの財産相続人が少ない人の事を言う。
医師がマーラに紹介した老人ジェニファーは、資産などを蓄えていて、相続人がいない。マーラは喜んで後見人となった。
しかし、ジェニファーを老人介護施設に入れてしまったことから、悪い方向に進んでいく。ジェニファーはマフィアのボスの母親だったのだ。
ジェニファーを愛している息子ローマンは、部下に介護施設を襲撃させたり、マーラに母を紹介した医師を殺してしまった。
そしてマーラも襲撃された。マーラは偽装の転落死により死ぬはずだったが、なんとか生き延びてしまった。
マーラはジェニファーの家に行くとパートナーのフランが倒れていた。フランは意識を取り戻すと、二人でマフィアに立ち向かうことを決意した。
マフィアのボスローマンを捕まえ、マーラはローマンの後見人になった。交渉の結果、マーラは1000万ドルを手にし、またローマンのサポートを得て後見人ビジネスを世界展開することになった。
その後、マーラは超富裕層となり大成功するのだが、過去に無理矢理、介護施設に入れて面会謝絶させていた老人の息子に銃撃されて死んでしまう。(終)
マフィアのボスは母親を愛しているのに、マーラは母親を毒親と言って、愛していないのが対象的であった。これになにか意味があるかは分からないな。
悪徳の栄え
強い女のイメージがすっかり板についてきた感のあるロザムンド・パイクさんだが、いくら何でも怖いもの知らずにもほどがある。普通ならヤバい相手とわかった時点で、手を引くだろう。ロシアンマフィアが手ぬるいやり方をしていなければ、主人公二人とも物語中盤で死んでいるはずだ。
主役だけちっとも銃弾が当たらなかったり、すぐ殺さずにまだるっこい手段で死に至らせたりしている間に助かるパターンは、もうとっくに鼻白んでいる。マーラが麻酔から覚めるのも早すぎるし、そこからすったもんだして帰りつくまで結構な時間がかかっているのに、フランがガス中毒死していないのも不思議だ。何なら女医はあっさり殺されているし。そこらへんの説得力がないと、物語が嘘っぽく思えてしまう。
「悪魔のような女」「白いドレスの女」などの悪女ものの系譜に連なる可能性もあったのに、ちょっと残念。
極悪
俺がこの手で殺したかった。
あるのかないのか分からないけど、後見人制度を悪用し、莫大な富を築く悪魔のような女の話だった。
冒頭、頭ごなしに先制パンチを喰らう。
一般的に浸透してるスローガンや、理念は管理する側が植え付けた妄想だ、とかなんとか。
以前「ハゲタカ」を見た時にも思った。
社会の根幹を成すルールは大勢をコントロールする為だけに必要で、そのルールを破った人間こそが成功への階段を昇れるんじゃないかと。
それと似たような事が語られる。
穏やかな気持ちでいられたのは、開始10分くらいまでだった。彼女が構築したシステムが披露された後は、ずっとイライラしながら観る事になる。
医者と結託し、診断書を偽装し、本人不在の状態で後見人を受諾する。
法的な執行力のある書類を手に、1人住まいの老人宅に向かい、老人ホームへと移送する。
その直後から、家財道具から家屋に至るまで財産を処分し換金していく。本人への確認もなしに、だ。
こんな暴挙が違法ではなく合法で行われる。
裁判官まで結託してたら手の施し様がない。
彼女達は老人を老人ホームという名の監獄に放り込む。まるで終身刑のようであり、死んでようやく開放される…退所=死だ。
それまでの自由は剥奪され、管理しやすいように痴呆症等のレッテルが貼られる。
…なんちゅう状況だ??
そして、また、彼女はカモを見つける。
いつもと同じ。同様の手順を踏んで利潤を貪り尽くすだけだった。
だけど、その老婆はマフィアのボスの母親だった。
こっからは彼女達の日常が揺さぶられていく。
今まで盤石だった足場が、いきなり崖っ淵の如く不安定になる。
もう、マフィアを応援してる俺がいる。
生き地獄を味合わせろ!
追い込むんだ!
…もう何を観にきたのか、分からなくてなってる。
彼女達に訪れるであろう「無惨な死」を期待し、懇願までしている。
こんな奴らがのさばってるのならば、神も仏もあったもんじゃないだろう!!
…神も仏も居なかった。
彼女達はデスゲームに勝ち残り、巨万の富を手にする。
社会的な成功を手にした彼女は、ビジネス誌の表紙を飾りTVに出演している。
爽やかな笑顔に美しい白い歯。
その背中に無数の屍を背負っている事を誰も知らない。…悔しい、のである。
あるはずの良心が全く見えない。
いあ、何かが欠けている。
だからこそ、普通は踏めないアクセルを事も無げに踏み込めてしまう。
…この敗北感はなんなのだろう?
そのアクセルを踏み込む勇気が俺に無い事は確かだ。
彼女は成功の為ににリスクを選んだ。
そのリスクを跳ね除け成功を掴んだ。
決して褒められた道順ではないが、それに是非を問えるの己のみだ。
成功の頂で、幸せを謳歌してる時、彼女は撃たれる。
「あぁ、こんな奴の血も赤いんだな」
それが最初の感想だった。
コイツも人間だったんだなぁと、不貞腐れる。
彼女はたまたま殺されたけど、まだ審判を受けてない悪人達は無数にいるのだろうなと、無力な自分を嘲る。
観終わってみると画面に釘付けではあった。
9割くらいは負の感情ではあるけれど。
主役は見事であったし、その標的とされた老婆も流石であった。物言わぬ視線が恫喝にしか見えない…老婆の目に怒りの感情はカケラも見えない。
でも、彼女は明らかに殺意を纏っていると思える。
…戦慄が走った。
極悪な主役だけど、極上の作品だった。
なるほどな、そういう結末なのね。
なんかよくある話といえばそうなんだけど、何故かオープニングからグイグイ引き込まれて次の展開が気になってずっと鑑賞できる。
途中からは、マフィアとの駆け引き合戦になるのだが、これがまた面白い。
がしかし、そのマフィア、2人も殺すの失敗するかいな?と、そこは少しリアリティに欠けちょいと興醒めしてしまったが、それ以外は満足。
そして、ラストはどういう結末。つまりはどっちが勝つのか?どう収束するのか?と思っていたら、そういう結末か。なるほどね、でした。
ロザムンドVSピーター!
そして不敵な微笑みのダイアン・ウィースト。
後見人ビジネスの手口がコワイ。病院と高齢者施設がグルだったら、絶対無理じゃない。なんか不条理劇観てるみたい。
中盤ディンクレイジさん登場でガラリと様相は変わるけど、敗因は事故に見せかけることを優先したことかね。ちょっと詰めがあまかった。
終盤大逆転からの選択そしてラストは、色々なやり方があったと思うけど、私はあまりあのエンディングは支持しない。ただ、金には執着するのに生には執着しないあの諦念に至るまでの、仄めかす程度でしか語られない彼女の前半生には、どれほどのことがあったのだろうか、は気になる。(けど前日譚映画化とかは要らないです)
私に負けはないので
高齢者を保護し施設に入れるという名目で介護施設や医者と結託して、高齢者の資産を奪う悪徳後見人マーラが、ある日ターゲットにしたご老人がマフィア関連の人で様々な危機が訪れる話。
最近、悪そう見えた人が実は良い面もあるよっていう話が多いけど、今作は真逆。冒頭のナレーションでも言われるように、善良に見える人が全員悪いことしてる。それが気持ち良い。
しかも全員、気が強すぎてお互いの脅しに全く屈しない。普通だったらこの脅しで怯んでるだろレベルの脅しで全員ピンピンしてるので、テンプレどおりの話の展開にならならい面白さ。ちとここまで怯まないのは危険すぎるが、少しはマーラのスタンスを見習って生きていこう。
最初らへんは別に誰のことも応援はできないのだが、中盤マーラが池に落とされてからの叫んで、コンビニ寄ってチョコバーを口にくわえて着替えなど物色してるシーンで完全にマーラを応援すると決めた。最高カッコよすぎ。これは日本版で米倉涼子でやってほしす。
ラストはまぁ納得はするけど、個人的にもっとしぶとく生き残って(いやあれでもまだ生きてるかもしれない)もっともっと悪徳商売で稼いで欲しいと思えるぐらいの爽快な悪い役です(笑)
強かに、ずるくタフに生きる!
アリスクリードの失踪の監督作。Jブレイクソング。老人を病人にして老人ホームへぶち込み。法定後見人として財産を巻き上げるのが、仕事のマーラとフラン。
医者もからめて診断書を書き、土地家屋を処分。老人は、薬漬けで痴呆症にしてしまう。恐ろしい話だ。
しかし、ジェニファーは少し様子が違う!
ロザンドパイクがガッツと度胸の良さが素晴らしいね。
コメディタッチもあるので見やすい、スリラーた
なぜ彼女はそこまで「成功」に執着するのか?
違法行為スレスレでも、
道義的に真っ黒でも、
脅されても、
命がけでも、
彼女は「成功」に執着する。
なぜだろう?
映画を見終わってから、ずっと考えていた。
私の結論は、
「彼女の姿、生き様は『現代アメリカ社会』だ」と。
サブプライムローン問題が典型的だが、どれほど「間違っている」としても、「儲かるなら手段を問わない」がアメリカ。
トランプもそんな一人だが、そんな彼が米国大統領にもなった。
そんなアメリカを皮肉ってるんだな、と。
そういう意味で、彼女のラストは象徴的。何かを示唆するようだ。
まあ、もちろんアメリカに限った話ではないんどけど。
日本でリメイクしても面白いのでは。
【アメリカ高齢者を捕食する黒い後見人の物語かと思いきや、左斜め上を行くストーリー展開に引き込まれる。爽やかな笑顔を浮かべつつ、腹黒いど根性女を演じたロザムンド・パイクの魅力全開作である。】
ー ロザムンド・パイクと言えば、代表作「ゴーン・ガール」エイミーの姿が脳裏に浮かぶ。弱い女と思わせつつ、実は狡猾に男を締めあげる恐ろしい妻の姿である。
今作の主人公マーラ(ロザムンド・パイク)にも似たテイストを感じる。爽やかな笑顔を被後見人に見せつつ、
”この国で成功するには、勇敢で愚かで残酷でないと駄目。フェアプレーをしていては何もできない!”
と、レズビアンのパートナー、フラン(エイザ・ゴンザレス)に高らかに告げる姿。
そして、彼女は高齢者施設の院長、医者とつるんで、判断能力の衰えた哀れな老人を探し、看護と称し、施設にぶち込み、財産管理と称して財産を搾取する腹黒い後見人として地位を築いていた・・。-
◆感想
・序盤は、マーラとフランが高齢者施設の院長、女医と結託して、黒いビジネスを展開する様が、コミカル要素を絡めつつ描かれる。
真っ白い歯、爽やかな笑顔を高級な衣装を身に纏いながら、マーラの”事業”は着実だ。
- ロザムンド・パイクの爽やかな笑顔程、怖いものは無い・・。-
・捕食者として、選んだ資産家の天涯孤独”だった筈の”ジェニファー(ダイアン・イースト)をいつもの手順で、施設にぶち込み、家探しして彼女の銀行貸金庫の鍵を手に入れ、家財一式売り払い、家も売り出す、マーラの姿。
- 正に、黒い後見人である。脚本と監督を務めたJ・ブレイクソンによると、この物語は実際の法定後見人による搾取事件からアイディアを得たというから、他にも沢山いるんだろうなあ、マーラみたいのが・・。-
■で、ここから物語の面白さは、倍加する。
・ジェニファーの”友人”が現れ、あの手、この手でマーラに揺さぶりをかけてくる。弁護士を送り込んで、金で抱き込もうとしたり、法廷闘争に持ち込むも、マーラに一蹴されて・・。
- ”友人”が表向きには企業経営者の顔を持ちながら、裏ではロシアンマフィアと繋がっていたり、ジェニファーも実は、戸籍から全て作り変えてあった別人だったと分かるシーン。
だが、それでもど根性女、マーラは屈しない。母親を殺すと言われても”あんな毒親、殺しな!”と平然と応じる姿。マーラの生き方の理由が垣間見えたシーンである。ー
・女医が殺され、フランも襲われ、到頭、マーラも捕まり・・。
- 椅子に縛られたマーラの胆の据わりっぷりが凄い。そして、車もろとも、湖に落とされるも、必死に這い上がり、夜の道をびしょ濡れで歩き、ようやく見つけた店でセンスのないジャージと食料を買う姿。あれが、マーラの”素”の姿であろう。ー
<マーラの、ロシアンマフィア達への反撃は、観ていて爽快でもある。
表向きは真面な人間を装った、似た者同士の”悪”VS"悪”
スリリングな展開を見せる後半と、ロシアンマフィアがマーラの肝っ玉の太さを見込んでの”悪“同士の結託。
そして、鮮やかな”搾取されてきた者”からの強烈な一撃が描かれる、ラスト。
ストーリー展開の秀逸さとともに、ロザムンド・パイクの怪演が印象的な、見事な作品である。>
起承転結がいいバランス
ストーリーの8割ぐらいはムカムカする。老人を食い物にする胸糞悪い始まり。えーこのクソ女をのさばらせるの?!
ラストまさに天誅!
正義とは。
いやー面白かった。
誰一人いい人がいなくて、誰の味方になるべき?
殺し殺され、けど、生きて生かされて。
これ終わんないじゃん、と思ったらそうきたか。
笑えた。
そこからのサスセスストーリーに、本当の終幕。
いや〜。
見応え充分ですな。
しかし役設定39歳?
すごくない?あんなバイタリティ溢れてるものなの。
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