「【アメリカ高齢者を捕食する黒い後見人の物語かと思いきや、左斜め上を行くストーリー展開に引き込まれる。爽やかな笑顔を浮かべつつ、腹黒いど根性女を演じたロザムンド・パイクの魅力全開作である。】」パーフェクト・ケア NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【アメリカ高齢者を捕食する黒い後見人の物語かと思いきや、左斜め上を行くストーリー展開に引き込まれる。爽やかな笑顔を浮かべつつ、腹黒いど根性女を演じたロザムンド・パイクの魅力全開作である。】
ー ロザムンド・パイクと言えば、代表作「ゴーン・ガール」エイミーの姿が脳裏に浮かぶ。弱い女と思わせつつ、実は狡猾に男を締めあげる恐ろしい妻の姿である。
今作の主人公マーラ(ロザムンド・パイク)にも似たテイストを感じる。爽やかな笑顔を被後見人に見せつつ、
”この国で成功するには、勇敢で愚かで残酷でないと駄目。フェアプレーをしていては何もできない!”
と、レズビアンのパートナー、フラン(エイザ・ゴンザレス)に高らかに告げる姿。
そして、彼女は高齢者施設の院長、医者とつるんで、判断能力の衰えた哀れな老人を探し、看護と称し、施設にぶち込み、財産管理と称して財産を搾取する腹黒い後見人として地位を築いていた・・。-
◆感想
・序盤は、マーラとフランが高齢者施設の院長、女医と結託して、黒いビジネスを展開する様が、コミカル要素を絡めつつ描かれる。
真っ白い歯、爽やかな笑顔を高級な衣装を身に纏いながら、マーラの”事業”は着実だ。
- ロザムンド・パイクの爽やかな笑顔程、怖いものは無い・・。-
・捕食者として、選んだ資産家の天涯孤独”だった筈の”ジェニファー(ダイアン・イースト)をいつもの手順で、施設にぶち込み、家探しして彼女の銀行貸金庫の鍵を手に入れ、家財一式売り払い、家も売り出す、マーラの姿。
- 正に、黒い後見人である。脚本と監督を務めたJ・ブレイクソンによると、この物語は実際の法定後見人による搾取事件からアイディアを得たというから、他にも沢山いるんだろうなあ、マーラみたいのが・・。-
■で、ここから物語の面白さは、倍加する。
・ジェニファーの”友人”が現れ、あの手、この手でマーラに揺さぶりをかけてくる。弁護士を送り込んで、金で抱き込もうとしたり、法廷闘争に持ち込むも、マーラに一蹴されて・・。
- ”友人”が表向きには企業経営者の顔を持ちながら、裏ではロシアンマフィアと繋がっていたり、ジェニファーも実は、戸籍から全て作り変えてあった別人だったと分かるシーン。
だが、それでもど根性女、マーラは屈しない。母親を殺すと言われても”あんな毒親、殺しな!”と平然と応じる姿。マーラの生き方の理由が垣間見えたシーンである。ー
・女医が殺され、フランも襲われ、到頭、マーラも捕まり・・。
- 椅子に縛られたマーラの胆の据わりっぷりが凄い。そして、車もろとも、湖に落とされるも、必死に這い上がり、夜の道をびしょ濡れで歩き、ようやく見つけた店でセンスのないジャージと食料を買う姿。あれが、マーラの”素”の姿であろう。ー
<マーラの、ロシアンマフィア達への反撃は、観ていて爽快でもある。
表向きは真面な人間を装った、似た者同士の”悪”VS"悪”
スリリングな展開を見せる後半と、ロシアンマフィアがマーラの肝っ玉の太さを見込んでの”悪“同士の結託。
そして、鮮やかな”搾取されてきた者”からの強烈な一撃が描かれる、ラスト。
ストーリー展開の秀逸さとともに、ロザムンド・パイクの怪演が印象的な、見事な作品である。>
生業が寄生の人々…。色々見えても深入りはしないので、詳細までは知らないのですが。。常時おんぶ&抱っこを要求するのではなくて、輪の一員になれるよう皆が努力したいと思えるようになると良いですね…。
意外性という点で、ここ最近の中では一番かなぁと思う作品でした。
こっからどうやって反撃するの❓
アイアンスーツもないし、
殺し屋もいないし、
筋肉モリモリの人もいないし、
スナイパーもいない。
こちらの心配を他所に、
華麗なる復讐劇でした👏
こんにちは。
言葉の使い方が難しいですけど、あのラストは、法律の壁に阻まれる弱者側からの反撃として、事態としては救いはないけど彼にとっては一種の救いのように見えました。
コメントありがとうございます!髪型は確かに前半のパッツン系は印象的でした。それがCEOになってからは自然で上品、より美しく。さすがに外見命の肉食系の欧米社会!と思いました
都内ではシネコン2館だけということもあって、僕の見た回は満席でしたが、作品のわりには淋しい公開規模ですよね。
ゴーンガールの強烈さをまた味わいたくて楽しみにしていたんですが、匹敵するくらいすごい出来でした。