「喪失と再生」軍艦少年 カミムラさんの映画レビュー(感想・評価)
喪失と再生
大切な人を亡くしたことによる絶望、後悔、自責の念に苛まれ、酒に逃げる父。
母を亡くした喪失感と、かつての強さを失った父に対する苛立ちで喧嘩に明け暮れる息子。
周りの人々に支えられながら再出発する家族の再生の物語。
強さとは何か。家族とは何かを問いかける良い映画でした。
海星が父に本当の気持ちをぶつけるシーンや母の最後の手紙は本当に胸が熱くなる。
また、息子と父の両方に友との友情が見られるのが良かったな。
父の幼なじみの警察のおっさんや顧問の先生は二人とも本当にしっかりと向き合い、諭し、背中を押して立ち上がる手助けをしてくれた。
クラスメイトの結は、自分が変わるきっかけをくれた同じ境遇の海星にイラつきもあったがケツを叩いてウジウジする彼を奮い立たせてくれた。親友の純の裏切りはキツかったが、ラストは逃げずに一緒に戦うのが良かったし、タイマン後の海星との殴り合いは本当に柳内大樹作品っぽくて好き。
主演の佐藤寛太は演技、アクション共にあまり印象に残らなかったかな。平凡。顔が優しすぎて良い人オーラが凄い。
加藤雅也は演技の振り幅が本当に凄いと思う。過去の強くて家族想いの父の姿、絶望で酒に溺れる姿、そしてラストの立ち直り厨房に立つ姿。本当に同一人物か?と思う程。
ヒロインの山口まゆは『下忍赤い影』の頃と比べて凄く演技力が上がったと思う。
個人的最推しの柾木玲弥はマジで三下役が似合うよね。今回もいい下っ端感出てたよ。本当はガチバンとかガキロックとかゴクドルズみたいな強キャラの方が見たいんだけどね。
そして定番の悪役一之瀬ワタル。やっぱり安心感あるな。手下三人も不良役経験者はいるが格が違うわ。だが原作がどうかは知らないが刺青がダサすぎてビジュアルいまいち。
軍艦少年もガキロックも実写化したし、Netflixでいいからギャングキングも実写化して欲しいなー。セブンスターでもいいよ。