「理解のない人は現代にもいる」あのこと つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
理解のない人は現代にもいる
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映画を観て大概の場合は、本作の主人公アンヌが講義で聞いていたようなアプローチ、つまり、どんな物語だったのか、や、テーマやメッセージは何か、とか、見所は?他の作品と比べて特別なところは?などといった具合でみている。
一緒に観ている妻も似たようなアプローチだ。
しかし、本作に限って妻は、もっと感情的に、身につまされるような感覚の心情を私に述べた。
アンヌの心境も、妻の言も、本当に理解することは難しいかもしれないが、確かに、この作品を観ている間の息苦しさは感じずにはいられない。
この作品の内容を完全に現代に置き換えることは難しいだろう。それでも、女性の選択肢の少なさという意味では現代でも解消しきれていない地続きの問題である。
本作の製作国であるフランスはもちろん、日本よりも性差について進んでいる他の欧米諸国でもそれを訴えようとしているのだから、もう少し何とかしようと意識を変えていく必要を感じる。
既に書いたが、観ている間ずっと息苦しい作品だ。
せめてもの救いが最後の医師のセリフだ。それで安堵してしまったのだからこの作品の閉塞感は恐ろしいものがある。
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