「こんな小粋な映画に出会えるを待っていた!」モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
こんな小粋な映画に出会えるを待っていた!
この作品は、
序盤のモナリサの歌と歌詞をよく覚えて置くことが必要です。
できたら、
ナット・キング・コールの歌声を予習復習することを薦めます。
それはまるでモナリサを愛でるように絵筆を振うダ・ヴィンチの心境が分かる気になります。
そう、それはあの子生意気な小僧の様に…。
不吉なブラドムーンの夜に、
物語は北朝鮮?から政治亡命した家族の子女を12年間危険人物として特別監禁している間に、
人を操る念力を修得し、あの夜に見事脱獄して色々な事件を巻き起こしながら逃亡する少女の話です。
(以上の真偽は不明で、私見です)
超能力をもつ少女に関わる人達がみんな自然に、できる範囲で逃亡者の彼女を何の見返りを期待せずにちょっとした協力してゆく姿がいかにも合衆国らしく屈託がない。
きっと、日本なら怪しい人物には関わらないし、直ぐに警察に通報してしまう。
ニューオリンズの土地柄なのか、皆んなが逃亡者に理解があり、そんな事件の小話の一節ごとに小粋な種が仕込まれており、
終わりに近づく度にその種明かしが小気味よく明かされて行く、そのタイミングがとってもチャーミングでセンスの良い作品だった。
そう、
最後には、
その心地良さに、
思わず微笑んでしまうのだ。
それがモナリサかなぁ
(^ω^)
モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン
デビュー作「ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女」など独特の世界観の作品で注目されるアナ・リリー・アミールポアー監督が、オリジナル脚本で手がけた長編第3作。
他人を操る特殊能力を持った、エキセントリックでミステリアスな少女モナ・リザの繰り広げる逃走劇を描く。
謎めいた少女モナ・リザは、あの有名な絵画と同じ名前だが、絵に描かれた女性のようにほほ笑むことは決してない。
彼女は12年もの間、精神病院に隔離されていたが、
ある赤い満月の夜、突如として他人を操る特殊能力に目覚める。
自由を求めて施設から逃げ出したモナ・リザは、サイケデリックな音楽が鳴り響き、刺激と快楽に満ちたニューオーリンズの街にたどり着く。
そこでワケありな人生を送ってきた、さまざまな人たちと出会ったモナ・リザは、やがて自らのパワーを発揮し始め、月に導かれるように新たな世界を切り開いていく。
「バーニング 劇場版」でデビューし、Netflixオリジナル映画「ザ・コール」「バレリーナ」などでも活躍する韓国人俳優チョン・ジョンソがモナ・リザを演じ、
モナ・リザをある計画に引き込むシングルマザーのダンサー、ボニー・ベル役をケイト・ハドソンが務めた。
そのほかの共演に「ミッドウェイ」「デッドプール」のエド・スクレイン、人気コメディアンのクレイグ・ロビンソンら。
撮影は「ミッドサマー」などのアリ・アスター作品を手がけたパベウ・ポゴジェルスキ。
2021年・第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。