「指先からその世界を」笑いのカイブツ berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
指先からその世界を
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笑いのカイブツ
ツチヤはお笑い芸人を目指してネタを書いていない。構成作家の志望で、キャラクター性を除外して、シンプルなフォーマットに拘って身を削っている。
何で面白い発想だけで世の中が回っていかないのか、世の中を回すために面白さを失っているのか。創作に没頭するあまり、まだ現実を知らないだけと言えるだろうか。それでも、(時期的には偶然だろうが)激震に揺れるお笑い業界のカウンターパンチになりえる映画だ。舞台に拘って活動している漫才師たちが、多数出演していることも、何かの群像劇と見紛うようだ。
人々の半分からは嫌われながらも、意外と周りの心を動かせている。感動的なシーン、演出も複数箇所ある。それでもツチヤは、最後には我に帰ったかのように、冷めたことしか言わない。それが感動から揺り戻す。それでも、滑ることをよしとは考えていない、自己満足で終わろうとは思っていない。
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