「これこそが青春」オアシス ネブワース1996 室木雄太さんの映画レビュー(感想・評価)
これこそが青春
星5つでは事欠く熱気、満場一致の“マンチェスター”だ。シティが強豪クラブへと変貌した今、スマホが無くSNSに熱中していないこの時代を振り返れば、そこには皆がLIVEに集中し一体感が生まれていた奇跡が詰まっていた。思えばこの先、青春のバトンタッチを受けた私は、来日公演の定番だった代々木競技場第一体育館に毎回の様に通っていた。ご多分に漏れず、初めて買ったCDも彼等の物。やはり、青春の記憶とoasisのLIVE体験とは、蜜月なものとして色褪せない。青さも残る本編のギャラガー兄弟を観ていると、郷愁の念に駆られてしまいがちだが、そこにしみったれた感情が入る余地は無く、閉鎖的な世界に前向きなメロディが大音量で注がれていく。多くの、幸運なファンを含めた当事者達による、奇跡的に繋がれた、熱烈な渾然一体が収めた記録。再び未来を切り開く為に、夢見た過去を目指して劇場へ向かうべきだろう。
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