「こんな茶番劇に感動するなんて・・・」翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな茶番劇に感動するなんて・・・
地域間の優越感や劣等感に基づく「あるある」ネタやディスリ合戦は、前作同様に面白い。中でも、ご当地出身有名人自慢は、完全に定番化した感があって楽しめる。
「チャーリーとチョコレート工場」のパクリや水晶玉の祈りのシーンなど、前作以上にVFXやスペクタクルな見せ場に力を入れているところも嬉しい。
今回は関西圏の話だけかと思っていたら、埼玉における武蔵野線を巡る確執や、現実世界における浦和と大宮の諍いなど、案外、多層的な話になっていて、ちょっとした「お得感」も味わえる。
単なるディスリのネタかと思われた千葉のタワー自慢が、ラストの行田タワーの伏線になっているのは見事だし、それで大阪による植民地化計画や埼玉の武蔵野線の問題が一挙に解決する流れもよくできている。
何よりも、滋賀県民が、自らを犠牲にして琵琶湖の水を止めることを決断するくだりには、思わず涙が出そうになってしまった。
前作でもそうだったが、差別され、虐げられてきた者たちが、誇りを取り戻すために立ち上がる姿には、それが「茶番劇」だと分かっていても、やはり、胸が熱くなるのである。
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