「どこまでの観点で見るかに大半つきる作品」翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでの観点で見るかに大半つきる作品
今年392本目(合計1,042本目/今月(2023年11月度)24本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
まず、映画の予告編からは明確にギャグ映画であることは明示されていた一方、行政書士の資格持ちとしては、行政法の中の特に地方自治法、地方自治の在り方等が論点になりうるな、という点は把握して見に行きました。
※ 250条ほどのコンパクトな法律ですが、「何条の●」が非常に多いため、実質的には700条くらいある(民法の約70%)という特殊な法律です。
結論からいうと、「そこまで突っ込んでどうするのか」という点は多々あるし、一方で真似をしても困るなという点もあるし、うーんこれどうするんだろう…という点は多々ありま(全部あげていると5000文字に収まらないので適宜省略)。ただ関西圏が舞台という事情もあるので関西圏でのこちらでは結構笑い声も多くてお客さんの数が多かったです。
ギャグ映画であるのはもう言うまでもなく、「多少は法律的におかしい点がある」もののそれを全部突っ込むのも野暮な話だし(ギャグ映画であることが明示されている点による)、最低限気になった点のみです。
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(減点0.6/無線に関する取扱いについて配慮が足りない)
実は無線(アマチュア無線ほか)を扱うのは、行政書士試験を管轄する総務省と同じです。各種試験も実は総務省管轄だったりします(経済産業省ではない)。
そしてこれら法律は、資格持ちでないものの無線使用を全面的に禁止しています。時々登山するときなどに「何かあったときのためにSOSを出す」などの理由で勝手にアマチュア無線機を持ち込む方がいますがアウトです(ただ、この点はおまわりさんに注意されるに過ぎない程度)。日本では無線資格も級があがると海外通信も可能になるため(そのような通信もできるようになるため)この点は結構うるさく、特に「違法無線」に関しては総務省は結構うるさいです(特にトラックの運転手の方が適当に使う類型がよく知られる)。
この映画でも無線を受信だの発信だのというシーンがあり、この部分について何の説明もないのは、真似をするとまずい(なお、いわゆる「電気街」においても無資格者がアマチュア無線機ほかを買うこと「自体」は可能ですが、発射した時点でアウト)ので、ここはギャグ映画といえどもちゃんと扱ってほしかったです(エンディングロールほか)。
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