「少年が危機を乗り越えて自己を確立する秀作」ディア・エヴァン・ハンセン Cybertknさんの映画レビュー(感想・評価)
少年が危機を乗り越えて自己を確立する秀作
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人と関わることが恐ろしい、社交不安障害の少年が、よく見られるために嘘をつき、取り繕い、豊かな家に憧れの家庭を投影するが、
やがて嘘のために苦しみ、母との交流から自身の生い立ちの意味を定義し、真に自分がどう行動すべきかを見出して、自己を確立していく葛藤の物語を、精緻な心理描写で矛盾なく描ききっているところが、映画として素晴らしいと思います。
歌は二人きりで語りあうシーンで多く用いられたため、穏やかな曲調で、青年たちの、もしくは家族間の情感を、静かな音楽で描き出すことで感動が胸に迫る、新しいミュージカルの形を示していると思います。
鑑賞後にサントラを自宅で聞きましたが、映画のシーンがはっきりと脳裏に蘇り、その点からも良いミュージカルだったと言えると思いました。
私がここ数年で鑑賞した映画の中で、間違いなくベストの1本に数えられると思います。
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