「ここ掘れ、ブヒブヒ。」PIG ピッグ せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
ここ掘れ、ブヒブヒ。
山奥でトリュフ狩りをしながらの豚と慎ましく暮らすじぃが、豚を取り返そうと仕事仲間の若造と街に出る話。
大切な人を牛ない孤独にひっそり暮らす中年男、追い打ちをかけるように殺されるブタ、そのためになら行動を起こす男、誰もがジョン・ウィックを連想するけど中身を開けば全く真逆の話。もはや反ジョン・ウィック的な雰囲気。
主人公かなり殴られ蹴られるけど、反撃はできないし、何より主人公最大の武器は料理の腕と対話。喪失を暴力で解決するんじゃなくて、共に失った何かを思い慰め合う話だった。
でもだいぶ思わせぶりに演出してる感じがズルいなと(笑)何やら街を支配しているラスボス的なおっさんに、それに立ち向かうために"ブツ"を揃えろと支持する主人公が殺し屋のそれ(笑)というか料理振る舞う時もワインに毒入れてるんじゃないかとギリギリまで疑った(笑)
『ドライブ・マイ・カー』がなぜ海外で評価されたか、大切な人の喪失というテーマがコロナ禍で日本の何十倍の死者が出た海外の状況とリンクしたことも一因とスッキリの映画紹介の人が言ってたけど、確かに今年入ってから見た"こういう系"の映画『ラム』『林檎とポラロイド』とか、全部喪失を許容したり立ち向かったり転嫁したり、同じ雰囲気だなと思った。
あとまぁ、私はこの話めっちゃ花咲かじいさんだなと思った。トリュフが宝とも思えるけど、息子と自分より仲良くやってる主人公が羨ましくて豚盗んだのかも。
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