劇場公開日 2022年3月18日

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「図らずも字幕派と吹替派がいる事を再確認させられる作品」SING シング ネクストステージ ガゾーサさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0図らずも字幕派と吹替派がいる事を再確認させられる作品

2022年3月21日
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鑑賞方法:映画館

2022年劇場鑑賞72本目。
LINEで映画を語るグループに参加しているのですが、字幕版を上映しない地域がどうも多いらしく、我が石川県でも確かにコロナシネマワールド以外は吹替強制上映となっております。

インド人が作った本格インドカレーにですよ、醤油だばだばかけて「いや~日本人はやっぱり醤油だわ~」みたいなことをして、たとえそれがおいしかったとしても、もうそれはインドカレーじゃないです。
初回で吹替で観るのも同じようなもので、たとえそれがどんなにいい出来だったとしても最初に完成したオリジナルの持ち味は絶対体験できないわけです。ドラゴンボールの孫悟空が海外で野太い声でしゃべってるの聴いて「野沢雅子の声に字幕つけて見ろよ!!」って思いますもん。
もちろん、色んな事情で吹替がいい方がいるのはわかります。でもなるべくオリジナルに近い形(本当は原語で観るのがいいのでしょうが、こちとら4つ5つくらいの外国語マスターしたくらいじゃ全然足りない位の国の映画観てるので)で観る選択肢を用意しておいて欲しいのです。

というわけでもちろん字幕版で鑑賞。これ吹替版は劇中の曲全部日本語で歌われてたんですか?エアロスミスのミス・ア・シングの日本語の歌はどうなってたのか気になりますが、こっちは日本語、こっちは英語のままとかだったら萎えますね・・・。という事を有名曲が使われるたびに気になって気が散って仕方なかったのですが、それを差し引いてもこの映画、めっちゃ面白いです。
前作は性格や家庭の問題など、環境が原因で前に踏み出せないキャラクターたちが解決していくところが面白くもあり、ちょっとしんどかった部分でもあったのですが、今作はどちらかというと役者としての壁をどう乗り越えるかが描かれていて、よりプロとしての葛藤が楽しめました。ゴリラのジョニーのエピソードが自分は一番良かったです。映画「セッション」を彷彿とさせられました。
終盤のステージを考えると、あれだけ前作でいい舞台だなと思っていたものが子供だましに見えてくるのはちょっと悲しかったですが(笑)

ガゾーサ