「出ろと言ったり出るなと言ったり」ダーク・アンド・ウィケッド なつさんの映画レビュー(感想・評価)
出ろと言ったり出るなと言ったり
「来るな」と言うのが最大の母の愛ではあったけど、そんな言い方は絶対無理じゃん。もっと別の言い方ぁ!
結構好きな作品かも
終始不穏な展開に突然のゴア。
曜日に区切って話が進んで行くので日曜日までに何が起きるのかずっとワクワク見れた。
陰影が良いなぁと。
ホラーでたまにある、暗くてよくわからん!てのがなくて一つの画で怖い部分とそうでない部分をきっちり分けているので、黒い部分がより不気味に見える。
母親首吊りでぶら下がる真っ暗な姿の下でヤギ達元気に駆け出るときや、神父が外へ出る真っ黒な影。
あと、ちょいちょい入る空の画像とか良かった。
夕暮れ空に赤い筋が一本。
目を見張るシーンは指切り←妄想かと思った。ヤギの大量死の光景とかびっくり。その大量ファイヤー!お兄ちゃん家族の全員死の幻覚の時は逃げきれない悪魔のくそ勝ちだなと。やったぜ悪魔!
てっきり看護師が怪しいと思ってた。
実はいつもそばに居たんですよ的な。
しかし1番の惨殺死、この人は番理不尽に殺されるので怒っても良いところ。家族じゃないのに!!
最後、息を取る父親のそばで喚き泣きをするところがとても良かった。
悪魔が格好を変えたり幻覚を見せてくるので、どこまでが本当なのかよくわからない母親は日々死に近づく夫に何を思ったのか…ちゃちい十字架と中途半端な信仰には悪魔に対抗できない。
たぶんその分からなさがいろいろとモヤモヤして逆に良い。
アメリカの田舎の文化や宗教感がわかればもっと楽しめたのかも。
結局、母も首吊り台がなかった事で悪魔のせい、兄も神父も幻覚見せられて悪魔のせいで自死。
悪魔の一人勝ち。
悪魔はもともと憑いていたのか、無神論者の母が神父により悪魔の存在を知って恐れた時から憑いたのか…
見守るのは蝋燭に描かれたマリア像のみ。