「美しいテーマとうーん?な演出」グッバイ、ドン・グリーズ! モスクワさんの映画レビュー(感想・評価)
美しいテーマとうーん?な演出
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ラストが良い。
自分達が始めた、ともすれば無理矢理始めさせられた冒険が、なぜ始まったのか。
その理由の残酷さ、途方のなさ、やるせなさ…そんな現実の前では、直前に掛かってきた電話の不可思議さなんてどうでも良いことだ。
こんな不思議な出会いや奇跡はありふれていて、どうでもいい、ありきたりなことが偉大な冒険に繋がるものなんだ、と感じた。
これこそがこの映画のテーマだと、映画を見終わって少し考えないと気付けない点が残念だった。
正直、見終わってすぐは見たことを後悔した。
登場人物の説明口調と急に熱く語り出すところに見ていてストレスを感じたからだ。
熱量が高く重要な台詞かと思うと、直後に他の人物から辛辣なツッコミ(何言ってんのコイツ?など)が入り、真剣に聞いていたこちらが冷や水浴びせられた気になる。
特に終盤で世界の広さを表して「世界地図の端から端」との台詞があり、それは比較的近い距離なのでは?と思っていたら、直後のモノローグで世界は意外と狭いということを意図する台詞があるなど、終始ちぐはぐ感があり物語への集中が削がれてしまう。
しかし彼らの冒険がそうであったように、台詞全てが間違いでどうでも良いことであれば、逆に引っ掛かったシーンはむしろ意味がありそうで凝った演出であると思うようになった。
そう思える程にはテーマも映像も美しい作品だと思う。
再度見たら確実に評価が上がるとは思うし、ぜひもう一度見たいと思うが、1回では感動できなかったのでこの点数で。
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