「神隠し側の社会」アリスとテレスのまぼろし工場 まままさんの映画レビュー(感想・評価)
神隠し側の社会
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ファンタジーとしての構造の面白さと、それに紐づけられたテーマとが、意外に合致してて面白い
話の構造としては、言ってしまえば神隠し先の世界。
見ている最初は、ほーん、ループものに似たような感じかあ、と。成長や時間が止まっているような。事故でみんな死んでしまって、そこで時間が止まっているような感じか?と。パッセンジャーズの映画に似ている感じかなと想像する。
よく分からない少女や宗教じみた男が登場。
なるほど現実の世界はそれはそれで存在しているのかと分かる。
虚構の世界に少女が迷い込み、それを虚構の世界側から描く。元の世界に戻してあげて終わる。
普通に話として面白い。
そしてそこに紐づけられたテーマ。
完全に今の日本社会(特に地方都市)の衰退の一途と、そこで暮らす若者の閉塞感や絶望を描いている。
変化することを大人に禁じられている子供。
社会の生贄のように閉じ込められている子供。
真に絶望してしまえば消滅してしまう。
希望のない社会でも今を生きていこうと。
アリストテレスがエネルゲイアだと言ってるらしい。
衰退する社会でも打ち上げ花火はあるよと。
セカイ系ゆえに、天気の子と似たような感じ。
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