劇場公開日 2023年9月15日

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「無責任な説教」アリスとテレスのまぼろし工場 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5無責任な説教

2023年9月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

寝られる

いや待て待て、なんだこれは。
世界観、マジで不気味すぎるぞ。絶対に子供には見せられないダーク過ぎる物語。かなりぶっ飛んだファンタジーに乗れるかどうかで、感じ方は大きく違いそう。少なくとも私は、シンプルに描きの粗さが気に食わず、全くハマれなかった。...結局なんだったんだ。

この映画が好きになれない1番のポイントとして、面白かったり魅力的であったり、感情移入できるようなキャラが1人もいないということ。主人公はラストになるとあまりに無責任で頭の悪い説教を繰り広げてしまうし、ヒロインに至っても感情が全く読めない。少女の設定に至っても違和感と疑問点盛り盛りだし、周りの友達もどうかしている。とてもじゃないけど、アニメやファンタジーだからと言って受け止められない。

はっきり言って興味がそそられず、専門用語の多用・過去描写の粗さ・感情の分かりにくさがとても見ずらい。音楽が劇中にほぼ挿入されていないのも怖くて、居心地が悪すぎる。このアイデアはいいとは思うんだけど、何にせよ中身が支離滅裂。決して難しい話ではないはずなのに、1本の映画では収まりきれない尋常じゃないほどの要素を詰め込んでおり、その結果、一言で難解な映画と片付けられてしまう。絶対上手くできたはずなのに、なんでこんなに下手なんだ。やり過ぎてしまったのか、そもそも映画1本にしたのが間違いだったのか。

ゆったり歩いていると思えば、急にアクセル全開で暴走し始めるし、作風と合っていないことをバンバンやり出すから頭が追いつかない。「君たちはどう生きるか」を見た時の同じ気分。あの映画ほどごった返しては無いけど、すごく似ている。観客に全投げするタイプの、映画として成り立っていない作品。それするなら、もっと説得力のあるエピソードを構成してくれないとさ。ファンタジーが過ぎるぜ、全くよ。

空が割れる映像なんてとても幻想的で綺麗だし、佐上のおっさんだけは狂っていて好キャラだった。でも、明らかに無理している。コ○ナを連想させているんだろうけど、ここまでやる必要あったかね。見ていて苦しくなる、空気の薄い映画でした。

サプライズ