「好きってどんな気持ちだったけ?」アリスとテレスのまぼろし工場 アムさんの映画レビュー(感想・評価)
好きってどんな気持ちだったけ?
『人を好きになる』ということが多く描写されてる作品だと思いました。
今回の作品見終わった感想はまず、『なんかすごいぞ、いいいもの見た〜!』って思いながら映画館で出てきました。
【好きだったところ】
•正宗くんと睦実ちゃんに対して好感が持てる
二人のやりとりは等身大の彼らの感情にも見えるのですが、性根はほんとにいい子で…。
五実ちゃんを現世に返そうと奮闘する様子は見てて、
感動しました。
•正宗くんが睦実ちゃんに対しての気持ちを自覚して悩むシーン。告白するシーン…。そしてキスシーン。
あんな美しくキスを描くのすごいです。
岡田麿里さんの脚本はこういう生々しい感情を描くのがホント上手ですよね…。
•最後列車の睦実ちゃんと五実ちゃんのやりとりもうるうるきて…。
•あと作画と音楽はよかったです!
特に音楽で五実ちゃんが工場で遊ぶ時の不思議な曲は
映画の雰囲気をいい感じに表現してると思いました。
で、こっから先は疑問に感じてしまったところです。
帰り道もんもんと映画について考えた時にもやもやするところが多いんです。
題名のアリスとテレスはなんだったんだろう?とかもあるんですが1番引っかかるところは、
【残された人たちはバッドエンドが待ってるようにしか見えない。】
いまは好きな人と一緒になれてよかったと思いますよ…でも永遠と続く冬の見伏に囚われてそのうち精神にガタがくるのは見えるな…って。終盤、そこについても楽しめばいいじゃない!って感じで受け止めてるような描写があったのですが、私は素直に受け取ることができませんでした…。いい登場人物が多いだけに辛かったです。
【苦手だったところ】
恋愛の描写が多いだけにちょっと自分勝手に恋に暴走してるキャラが多くてオイオイオイってなって見てました。
•まだ世界を壊したくなくて車で暴走する新田ちゃん
•政宗のお母さんを好きになってしまって、
告白するも振られこの世界を存続させるために
工場を稼働させる時宗
完全に個人の感想ですが、ここらへんはちょっと見てしんどいものがありました。
こう終わった後あれはなんだったんだ???って思ったことが多かったです。でもそれだけ考えてしまうってことは自分の琴線に触れた部分が多かったからだと思います。
兎にも角にも、すごい映画でした。