「変化」アリスとテレスのまぼろし工場 ケンさんの映画レビュー(感想・評価)
変化
変わらないもの、永遠を望みたい大人と、変わる周囲や自分、未来を望む子どもと。
老いない、生き続けられる、ずっとこのまま、と、
魅力的に思う人もいるかもしれません。
でも、自分の成長や他人との関係性など、さらなる成長を望む人もいる。
正宗たちは未来に進むこと、未来に託すことを選んだのかな。
前半のチグハグ感、説明不足感が、後半になるにつれて紐解かれるのはとても見事。
深く見れば、疑問点はほぼ解消されます。
自己確認表の、好きな人:なし 嫌いな人:睦実 の理由も、
とても納得。
精神年齢が幼い五美に対し睦実が別れ際に諭すシーンは、いい意味で「なんとも言えない」、感情を表現し難いシーンですね。友人のようであり、娘のようであり、まだ恋愛をよくわからない五美に対して、諭すようであり、宣言するようであり、約束するようであるようなあれらの言葉を投げかけた上で、五美のことを案じて元の世界へと見送る。ここ最近のアニメの中でも、屈指の名シーンと思います。
作品は違いますが、某アニメのラストシーンの「自由を失うのではなく、かけがえのない不自由を手に入れていく」という言葉を思い出しました。未来に様々な可能性や、希望や、夢がある子どもたちは、いろんな変化を経て未来へと進むんですね。
大人になった今だからこそ、新しい可能性に進む子どもたちが羨ましく思えたり、送り出したいと思える映画です。
とてもいい映画でした。
ただ、アリスさんとテレスさんが最後まで出てこなかった…笑
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