「この映画は生煮えで食べられない」アリスとテレスのまぼろし工場 僧ヶ鍬崎さんの映画レビュー(感想・評価)
この映画は生煮えで食べられない
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映画にとって長いこと・多いことは損なことがよくわかる映画。上映時間を今の2/3にしたらもっと見られるものになる。
長所:
・「佐上」。ゆでガエル状況で権力を握ったのは、普段さえないASDのゲイだった。
・90年代の田舎の雰囲気をよく再現している。肝試し時の私服、ゲームセンター入口のテーブル周りは必見
短所:
・編集。場面ごとにいらないカットが多すぎて間延びしている。特に終盤のカーチェイスは、尺が長いわりにプロットへはほとんど影響がなく、時間が経つにつれて緊張感がなくなっていくだけ。観客の知っている情報を何度も出さなくてよい。
・多すぎるキャラクター。主人公の男友人カルテット(この時点で多い。トリオで十分)、それに同じ数の女同級生、多数の製鉄所関係者に家族周りに周囲の民間人と、2時間恋愛映画でこの人数をさばききるのは至難の業。結局、終盤になると突拍子もなく怪物に食われて人数が減っていく。本当はサメ映画だったのか?
・主人公の魅力のなさ。今時ちょっと口調が荒いだけのナードじゃ、なぜヒロインたちからモテているのかよくわからない。少なくとももっとイケメンにできなかったのか。にしても、顔について褒めている場面はなかった。
総評:
実在しない1クールアニメをそのまま繋げた劇場版という風情。1900-2000円/人の価値はない。
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