「アイデア満載のドタバタホラー」ブラッド・レッド・スカイ Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
アイデア満載のドタバタホラー
病の治療の為、アメリカへ旅立つ母息子の旅客機に、ハイジャック犯が潜んでおり、緊迫の状況下に置かれる緊急事態が発生してしまう。ところが、ハイジャック犯をも恐怖のドン底に叩き落とすもう一つの"乗客"がー。
航空パニック作品だが、シリアスなハイジャックな場面から一転、血みどろのゴリゴリなホラー作品になるという荒業を成し遂げた本作は、アイデア満載の大パニックホラーに仕上がっている。パニック満載過ぎて少々置いていかれる気もするが、巣ごもり需要の高まる現代にはもってこいの作品だ。
テーマは母と息子の愛になる為、比較的長尺な本編で心温まる描写に涙する心構えをしていたが、意外と一般的な描写にとどまっていた。これは恐らく一つの作品にジャンルの垣根を超えた様々な要素を取り入れたことによる弊害だろう。どれもこれもが確たる描写のない凡庸なイメージとなってしまっている。ところが、ハイジャック犯の仲間内でも「サイコ野郎」呼ばわりされる危険人物がいたりなど、スリリングな展開は持続しており、最後の最後まで気が抜けない。何か起これば密室として最高の舞台となる旅客機ならではのシーンも随所に感じられ、NETFLIXオリジナル作品のクオリティにはやはり感服させられる。ラストシーンはアホなのか賢いのか分からない息子の決断で幕を閉じるのだが、それは恐怖と切なさが入り乱れた感慨深いものだった。迷ったらとりあえず本作を鑑賞してみてはどうだろうか。
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