「ビーストの出番はやや少ないが、ドラマパートも面白い一作」トランスフォーマー ビースト覚醒 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
ビーストの出番はやや少ないが、ドラマパートも面白い一作
今回ももちろんハイスピードで展開するオートボット達の戦いぶりは迫力があり、観客の期待に十分応えてくれる内容です。そしてもちろん、今回登場する動物型のトランスフォーマー、「ビースト」達の活躍を期待する人も多かったでしょう。特に『ビースト・ウォーズ』を視聴したことのあるファンなら。
ただ本作ではビーストの登場場面はわりと限定的で、全編にわたって彼らが登場すると期待していると、がっかりするかも知れません。これは演出上の問題というよりも、制作上の都合という側面もあるようなので、彼らの活躍は次作以降に期待したいところ。なのでスティーブン・ケイブル・Jr監督を責めないようにしましょう。
むしろ監督は本作の制作にあたって色々なアイデアを盛り込んでおり、今となっては真新しさを失いつつあるフル3DCGでのロボットアクションを前面に打ち出してきた本シリーズに、新たな地平を拓いた感があります。
人間側の主人公、ノア・ディアス演じるアンソニー・ラモスは、『イン・ザ・ハイツ』(2021)での役柄そのままに、調子がいいけど、頼りにもなる青年を演じており、オートボットのミラージュとの掛け合いが実に自然で、本作をバディ映画としてみても十分見ごたえのあるものにしています。
さらに本作の時代設定である1990年代半ばの音楽を非常に効果的に使っていて、トランスフォーマーファンだけでなく、90年代音楽ファンにとっても確実に胸の暑くなる場面を含んだ作品となっています。
これらの見せ場を踏まえると、やはりビースト達、もう少し活躍して欲しかった…。