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「what will become of us?」OSLO オスロ redirさんの映画レビュー(感想・評価)
what will become of us?
我々はどこにいるのか。こんなにも違う方向にすすみすぎてないか。
スマホも携帯もなかった。タイプライターまたはワープロ?コピー機、固定電話、これで連絡を取りアラブとヨーロッパとアメリカを舞台に極秘裏にこれだけの成果を挙げたことにまず脱帽する。淡々と描かれる舞台裏、静かな葛藤大きな闘志。
最後にモナが記している問いように、このようなモーメントがあったということは決して無意味なことではない。しかし、2021年になって今なお、問題は解決どころか、パレスチナ問題も世界のほとんどの紛争や占領はより一層激烈に容赦なく軍事力や暴力装置を持つ側が圧倒し圧倒的に殺戮し収奪しているということに、眼を覆うしかないのか。what will become of us? この問いを持つことは、未来を担保することだが、様々なテクノロジーに彩られた現代であるにもかかわらず、ここまでの格差と悪意が制する世界において、いかに無為に感じられることか。どんなことでも可能なほどにテクノロジーが発達しているのに基本的にそれは持てる側の暴力システムと一体になっており、今もパレスチナではインティファーダ石礫を投げることしかできずそしてそれすらも許されていない。チベットでは。香港では。ウィグルでは。シリアでは。アラファトがあのように眩しい公の場に現れ笑顔を見せそれを世界中の人が見たという奇跡のような出来事、瞬間があった、それば儚い夢のような営為であったかもしれないがそれでも知恵と勇気と信念で奇跡を実現させたノルウェーの2人には脱帽する。もはや美しい世界なんでないと思うしかない現世界、されど、2020年代、人類もう少し何とかなろうよ、まだこの映画の頃は今の刺々しい競争世界と比して牧歌的であった。そして今はガザも西岸もどんどん追い詰められて、オスロ合意もお伽噺となってしまい、今この時にも多分石礫を持った少年が、そして石ころさえ手にもってもいなくても彼や彼女らが殺されているのだ、、、そのことを忘れずこの問いかけを続けるしかない。