劇場公開日 2023年7月22日

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12ヶ月のカイのレビュー・感想・評価

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5.0まがい物で孤独を埋めた代償

2023年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

人工知能と人間の、異種間パートナーシップから始まるSFヒューマンドラマ…と思いきや、後半のある出来事から物語はサスペンスに転化する。 キョウカがパーソナルケアヒューマノイド(PCH)に依存してく背景や、PCHとのパートナーシップについて一人で悩むことになる背景が上手く設定されていた。 PCHの本来の用途は家庭内で家事・育児をサポートすることであるため、キョウカには一般的なユーザーとPCHの関り方が分からず、さらに世間ではキョウカのように単身者が異性型のPCHを所有することはラブドールを所有することと同一視されているせいで、キョウカは後ろ暗さや理解されない寂しさでますます孤立する。また、オーナーを全肯定するよう作られているカイには問題解決能力はなく、相談相手にはならない。 結果キョウカは、一人で目先の悩みや孤独に気をとられることで、周囲との問題意識のズレの本質を理解できないまま時間を重ねていくことになる。このすれ違いによって相互不理解や孤独が生まれる様子や、大きな衝突が起きるまでは問題が日常に誤魔化されていく様子が、リアリティをもって生々しく描かれていた。 孤独を利用する商売は現実にも沢山ある。キョウカが今後回復する道はあるのか、気がかりなラストだった。

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うぐいす