「実際には4つ」3つの鍵 ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
実際には4つ
道に面した1階に事務所があり7歳の娘を持つ夫婦、その向かいの老夫婦、犯罪に絡んでいる兄を持つ夫が仕事で留守がちの出産したばかりの女性、弁護士夫婦と親に反抗し酒グセの悪い息子、という高級マンションの4軒の住人。
妊娠中の女性が出産の夜、1階の事務所に弁護士夫婦間の息子の運転する車が突っ込み被害者の女性が死んでしまい裁判になるが、親に不正をして罪を軽くしろと言う。また7歳の娘を老夫婦に預けると、認知症気味の夫の方が息子と共に行方不明になり、公園の隅で2人でいるところを発見され、警察の捜査結果を聞いてもなお娘が性的ないたずらをされたと疑い、奥さんを罵る父親。クズ男のオンパレードか!と思う。
その後、老夫婦の十代の孫娘が久しぶりに帰省し、昔から好きだったその父親に迫って一度関係を持つ。
疎遠の兄からの出産祝いを突き返しに行く弟。1人で子育てをしている女性は育児ノイローゼからか黒い鳥を見るようになる。
エリートの父親が厳し過ぎて愛してくれていなかったと恨み出て行く弁護士の息子。
5年後。7歳だった娘はバレエで主役になる一方、関係を持った孫娘から裁判を起こされる。相変わらず留守がちの夫の兄が匿ってくれと突然やって来る。出所した息子を母親が刑務所に迎えに行くが拒否され、夫にも自分か息子かどちらかを取れ、と言われる。久しぶりに留守番電話のテープを再生すると子どもの声のメッセージが流れるが、その上に自分の声で吹き込む夫。
更に5年後。息子との確執を抱えたまま夫は亡くなり、留守番電話に自分の寂しい想いを録音する母親。バレエでスペインに留学する娘。娘に10年前の公園での出来事を聞くと、イタズラなどなかったと断言する娘。その父親を許すことにした孫娘。相変わらず夫は留守がちな中、2人目を出産した女性は、また黒い鳥を見る。
母親は悲しみの中、片付けた夫の靴や衣類を寄付に行った先で会った男性は、息子の結婚相手の父親だった。田舎で養蜂業をして家族を養っている息子に会いに行くが、キッパリと拒否される。被害者の遺族の夫に息子に代わって謝罪に行くと、そこで息子が遺族に蜂蜜を送っていることを知る。拒まれてもなお、再度会いに行くと、今度は息子の態度も変わっているのだった。