「趣旨を完全に理解しきるのはもう不可能…?」MEMORIA メモリア yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
趣旨を完全に理解しきるのはもう不可能…?
今年71本目(合計344本目/今月(2022年3月度)13本目)。
大阪市では1週間遅れかつ、私自身も色々はしごするために1分単位で移動という厳しい状況。
さてこちら。かなーり変わった映画です。映画というより(まぁ、映画館でやってば映画とは言えますが)、もはや「2時間1900円(一般の方で割引デーなどでない場合)で寝られる権利枠」とさえ言えるんじゃないか…というようにわかりづらいです。
とにかくヒントを得ようも何も、セリフがほとんどない上に、聞こえてくるのは水などのせせらぎ音等が大半で、放送事故か何かとさえ思えるほどの「静止画が延々続く」状況なので、何がどうなっているのか正直不明です。セリフさえちゃんとあればある程度、「背景に隠されたメッセージ」など読み取ることが可能ですが、この映画ではちょっと難しいのでは…(少なくとも、ここでみなさん無理と書かれているので、程度の差こそあっても、おそらく同じような結論になりそう)という印象です。
去年だったか、2021年、「登場人物が何も出てこず、延々と歴史的遺産がずっと流される」映画がありましたが(そして、太陽系の海王星との通信が何とかといってくる映画。シンカさんでしたっけ…。タイトル忘れた…)、あれに近い感じです。「内容を理解する」こと自体が難しいので(先に述べた映画は、シンカさんが公式アカウントで色々情報発信していたのでわかった点もあったけど、こちらは情報発信も少なめ)、正直わかりづらいです。わかりづらいですというより、わからないんじゃないか…とさえ思います(ヒントがないので、手掛かりがない)。辛うじてわかる、コロンビアやその自然などの部分なのですが、これらが何を意図するのかは色々調べましたが不明でした(南米の話なので、日本ではなかなか調べにくい、という事情もあります)。
先に述べた映画(ちょっと思い出せない…。シンカさんのあの映画)が、去年2021年に「映画版五種競技状態?」と書きましたが、こちらの作品は「同・2022年版?」というような状況です。とにかくわかりづらいことこの上なく、一方で、まさか「本当に意味なし、2時間で1900円(相当。映画館の料金は国によって異なる)の癒しを見るだけの映画」というように解釈するのは無理なので、何らかメッセージはあると思うのですが、正直、これを調べきるのはもう無理があるんじゃないか…と思えます。
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(減点0.8) …という点が全てで、結局のところ「何を述べたいか理解が本当にできない」という点に全部尽きると思います。ここのサイトでも一定の考察をされている方もいますが、正直何が正解・不正解なのかすら不明です(パンフレット等も売り切れていた)。
とはいえ、「積極的悪害を持って、意味不明な映画を流す」類型(今年だと、大怪獣~クラス)ともいえず、南米の方が見れば「当たり前じゃん」となる可能性もあるわけであり、日本版だけあることないこと付け加えることもできず、結局のところ「日本で公開するにあたって、日本での一般的な視聴者の理解水準の配慮不足」という、映画に関係しないところ(供給会社のお話)になってしまい、そこまで減点するのもどうか…とは思えます(まぁ、しいていえば、「日本の皆様へ」という趣旨で、最近は日本も一大マーケットですから…よくありますが(「ロスバンド」ではあった)…それ程度はあっても良かったかなと思えますが、予算がかぎられていると明らかにわかる映画で、そこまで求めるのも難しいです)。
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「登場人物が何も出てこず、延々と歴史的遺産がずっと流される」映画ですが、おそらくヨハン・ヨハンソンの『最後にして最初の人類』ではないでしょうか。旧ユーゴスラビア共産圏の異物が異物過ぎて迫力もあって、好きな映画です。