「彼女ははたして本当のことをいっているのか...?」ベネデッタ シナモンチュロスさんの映画レビュー(感想・評価)
彼女ははたして本当のことをいっているのか...?
ピーター・ウェラー主演のサイボーグ警官のロボコップやアーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション映画トータル・リコール(2012年にコリン・ファレル主演でリメイク)、シャロン・ストーン主演の妖艶な女性が主人公のミステリー映画氷の微笑の監督ポール・ヴァーホーベンが17世紀に実在したベネデッタ・カルリーニという同性愛の罪で裁判にかけられた修道⼥がビジョン、狂言、創造性で男性が支配する時代に権力をつかんでゆくという物語。
最初ベネデッタが幼少期の頃に修道院に向かう途中、母親のネックレスを盗賊に奪われるシーンがあるのですが盗賊に「聖母の罰がくだるわ」と発するところがあって本当に天罰が降りかかるという奇蹟かのような出来事が起きます。
その後、修道院に入って大人になったベネデッタは逃げ込んできた見知らぬ若い女性バルトロメアを助け、彼女と仲良くなり恋愛関係に発展していきます。
その頃から幼少期からずっとみえていたキリストのビジョンと嘘か本当かわからない狂言を使ってさも本当のことであるかのように民衆を信じ込ませ、修道院長の座に駆け上がっていきます。
最後にベネデッタのその後の詳細が書かれて、彼女は70歳まで生きて生涯を修道院内の施設で過ごしたことがわかります。
幼少期は純粋だったのかもしれないが大人になるにつれて色んな欲が出てきて、すべてを欲したベネデッタは息を吐くように"虚言"を繰り返し大衆の心を操り最終的には修道院長にまでのし上がったのをみて、私はただ単に嘘をつき続けるのは通常の感覚だったら罪悪感で途中で断念してしまうと思っていて、自分優先に物事を考える自分勝手なベネデッタは一貫して嘘をつくことに微塵の躊躇もなくできてしまう通常じゃ考えられない感覚の持ち主で現代で人が集まってくるカリスマ性があった人物に感じました。