「原点回帰にして王道バーホーベン作品!」ベネデッタ snake666さんの映画レビュー(感想・評価)
原点回帰にして王道バーホーベン作品!
自分はバーホーベンの全作品を観たわけではないが、本作はまさにバーホーベンの集大成的な作品ではないかと思った。
自分も含めた映画ファンに一般的に知られているいわゆるバーホーベン作品とはハリウッドで製作されたものであるという印象であったが、本作を観て実はそうしたものはバーホーベン作品にしては「薄味」だったのだなと気付かされた。
本作鑑賞前に未見だった「グレートウォリアーズ」「娼婦ケティ」等を観て、さらに本作を観ると、キリスト教をベースにした時代ものこそバーホーベンの得意とするスタイルだったのかと思わせる。
そう考えると本作は原点回帰でもあり、相変わらず容赦のないエロ&暴力描写もあわせて、自身の最も得意とするスタイルでの集大成的な仕上りになっていた事にもう唸るしかない。
数々の女性を主人公にしてきたバーホーベンがまたしても一体こんな逸材をどこから発掘したのかとベネデッタ演じるヴィルジニーエフィラがとにかく素晴らしい。
彼女の渾身の演技にはラストで目頭を熱くさせられ感情を揺さぶられずにはいられない。
キリスト教をよく知らない無神論な自分でも十分に楽しむ事ができ、とてもいい余韻にひたれる素晴らしい作品だった。観に行って本当に良かった。
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