劇場公開日 2023年2月17日

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「人の曖昧さ」ベネデッタ yoshuggahさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人の曖昧さ

2023年2月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

人間の曖昧さを描かせると本当にピカイチな監督。
始まって1秒で色彩美にやられて引き込まれた。
いつもの通り暴力エログロあるが、R18になる程ではないと思いました。今回は控えめにさえ感じた。
またバーホーベンは偽善を嫌うというか、偏りの無い監督なのでエロも全くエロティックに感じなく、ありのままの人間の生態って感じに見えた。

俳優さん全員素晴らしい演技でした。マトリックスの人はキャラ被ってて同じ人に見えた…
立場が不利になると急にリーガン化するが、それがグレタ意識しすぎで吹き出しそうになりました。

段々と主人公がシャロンストーンに見えてくる。
信仰する事、もしくは気高さとは?バーホーベンだから信仰は無いか…でもその辺は馬鹿にはしていない。
信じる力、あるか無いかではなく信じる力そのものが人間の偉大な力なのだ。

そして何が本当に邪悪なのか?
この辺の曖昧さにも踏み込んでる。
物事を余計に拗らせるだけの社会運動や病気の蔓延。
現代に思いっきりハマるテーマというか、昔本当にあった事をよく探してきたなと思った。

マトリックスの人が最後、
俺が天国行けるだなんて、お前やっぱりペテン師じゃねーか!と言うとこはバーホーベンらしくて深い台詞だと思う。自分が天国へ行ける様な人間ではないのをわかってるから言っており、あの人も完全に信仰が無い訳ではない。
本当の事いってよ!あなたはまだ子供ね。
証拠は?ソースは?そんな言い争いが多い世界で物事の本質は曖昧さ。曖昧である事こそが真実と言っている様だ。
正しさなんてものは本当は何処にも無いって事。

個人的に思うのは主人公の信仰も嘘も誰が何と言おうと彼女の中では本物であったんだろうなと思った。
何故なら彼女が目覚めてからは幻影を見なくなってる。

yoshuggah