「本人をつく前に作品としての及第点も多い」パンケーキを毒見する たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
本人をつく前に作品としての及第点も多い
大学でメディアのこともやっている、中立の立場の私。その前提の上でお話させていただく。現在の問題点を突きながら、菅総理大臣の人物像を伺う。トークショー付きで鑑賞。
率直な映画の感想として、詰め込みすぎた印象。確かに面白いが、チャプターが多くてピントがボテッとしている。問題点の列挙に彼の経歴と素顔…あれこれとピントを当てていくが、転調が効きすぎて忘れてしまう。ただ、菅総理大臣とは?を軸に政治の現在と関係性を照らす点は明白で、政治の疑問点が分かりやすくなった。特に答弁のシーンはヒドく面白い。噛み合わないのは致命的で、可笑しくて仕方ない。
特に気になったのは、メディアの報道姿勢。しんぶん赤旗と共産党による答弁のシーンは特に勉強になった。メディアがスポンサーに忖度せざるを得ないのは企業として仕方ないだからこそ、しんぶん赤旗の立場がくっきりと見えてくる。共産党の議員による答弁もできるため、追求もそう遠くない。逆に敬遠する大手が蔓延ってて残念。
逆に悪かった点は、アニメと経歴を綴るシーンかな。恣意的に見えるが故に、やや気分が悪い。確かに分かりやすくはなっているが、シンプルに爪が甘かったと思う。
河村プロデューサーの意図はよく分かるし、ドキュメンタリーによって総理の輪郭が浮かんだのは良かった。ただ、問題提起にしては列挙で終わったのも事実。選挙に行くより、メディアが変わることを願うばかりだ。
コメントする