「【“二つの奇妙な果実”ビリー・ホリデイの波乱万丈な人生と、彼女の生き様を追っていた女性ジャーナリストの不可解な死をミステリータッチで描いた作品。】」BILLIE ビリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“二つの奇妙な果実”ビリー・ホリデイの波乱万丈な人生と、彼女の生き様を追っていた女性ジャーナリストの不可解な死をミステリータッチで描いた作品。】
ー 冒頭、若き女性ジャーナリスト、リンダの不可解な死が告げられる。
彼女は、ビリー・ホリデイの多くの関係者にインタビューをしていたのである。
可なり、立ち入った内容まで・・。
今作は、彼女のインタビューの録音テープを再構成して製作されている。ー
◆感想
1.冒頭から、物凄い人数の、ビリー・ホリデイに対する想いが映像もしくはテープで語られる。
2.そこで、語られるのは
・ビリー・ホリデイが13歳の時から、売春していた事。
・異様なほどの、男好き且つレズビアンでもあり、多数の男とフツーに寝ていた事。
・ろくでもない男達との付き合いの中、麻薬に溺れ、麻薬捜査官により、逮捕勾留された事。
・マゾヒストだったらしい事。
ー付き合っていたろくでもない男から、殴られてもその後すぐに体を交えていた事。ー
・精神的に不安定な人間だった事。
□今作では、ゴシップ雑誌のような、真偽不明な事が多数語られる。
だが、今作の重要さは、黒人への人種差別が横行していた時代に、彼女が歌一つで、富を築いた事と
”奇妙な果実”を、ステージで歌い続けた事実である。
彼女が”奇妙な果実”を歌い始めると、白人の客がゾロゾロと、会場を嫌な顔をしながら出て行く姿・・。
彼女が、ステージで”奇妙な果実”を歌うシーンはキチンと、見せて欲しかった。他の曲も・・。
ドキュメンタリー作品として、構成が勿体ないなあ・・、と思った作品。
<それにしても、享年44歳とは、麻薬過剰摂取も原因なのであろうが、早すぎる死である。
彼女も、リンダも”奇妙な果実”として、木に括られた犠牲者であったのであろうか・・。>
<2021年10月10日 刈谷日劇にて鑑賞>