「the 現代という感じで笑ってしまう。」シンデレラ　せつこんさんの映画レビュー（感想・評価）

シンデレラを現代風に書き換えたおとぎ話ミュージカル。

ディズニープリンセスの中でも特に初期の白雪姫や眠れる森の美女は今では保守的すぎて逆にパロディにされるぐらいで、シンデレラも｢王子様に出会うために舞踏会に行きたい→舞踏会に行くために魔法で綺麗にしてもらう→舞踏会の後に王子様に見つけてもらう｣という古典系。

どう考えても舞踏会なんて興味無さそうで王子様のために着飾ることをしなさそうなシンデレラを、その古典的なストーリー軸に当てはめていくパズルが結構面白かった。やや無理あるだろという展開もあるけど、シンデレラの話の展開がそもそも古いから現代的な話と相性が悪いのはしょうがない。

私が好きだったシーンは、魔法使いのシーンと舞踏会で王子を誘う女たちのシーン。現代的になったシンデレラの性格よりも、この2つのが1番現代らしさが出てたと思う。魔法使いのキャラは最高だし、舞踏会の女性たちは皆派手でカラフルなドレスに人種も様々で最高。何なら1番シンデレラが個性ないぐらいだった。

でも今作、シンデレラを初め継母、王子の母・妹、最初に出てくる王子の婚約者、ひいてはチェロを破壊する音楽団の女性などなど、女性についてはかなり個性もあってちゃんとバックグラウンドも描くのに、男性の描かれ方が雑すぎる。今作がやってることは昔の『007』の女性の描き方と一緒。数十年後には逆差別の典型的な例として紹介されそう。

お父さんがあんなに頑なだったのに急に心変わりするのも簡単すぎるし、何より王子がずっとバカで無理（笑）最後のシンデレラへのプロポーズすごい薄っぺらいことしか言ってなかったよ（笑）まぁシンデレラの方もイケメンだし王子様だからとりあえず付き合っとこう～みたいな軽いノリっぽいし、最後｢王子様と幸せに暮らしました｣じゃないしね。