「MCUがリスタートする足音が聞こえる良作」マーベルズ kou-sukeさんの映画レビュー(感想・評価)
MCUがリスタートする足音が聞こえる良作
映画館、吹替にて視聴
本作を視聴するにあたり、
・キャプテンマーベル
・アベンジャーズ IW/EG
は見ておかないと厳しそう。
また、
・ミズマーベル(ドラマ)
・ワンダ&ヴィジョン(ドラマ)
・ホークアイ(ドラマ)
・スパイダーマン、ファーフロムホーム
あたりを見ていると、より物語を楽しめると思う。
本作は、作中最強でもあるキャプテンマーベルを主軸に、どうやって物語を描いていくのかに焦点を当てた結果、3人のヒーロー達が能力を使う度に入れ替わりをしてしまう事で、戦闘における「縛りプレイ」を組み込んだ事が、まず好き嫌いが分かれる所だろう。
個人的には程良い縛りプレイだし、映像的にも楽しめたので意外と肯定的に捉えられた。
物語は、1作目にて被害を受けた惑星ハラのダー・ベン率いるクリー人が、かつての支配地域から失った資源を奪う為に、謎のバングルを使用するが……と言った内容。
バングルについてはミズマーベルの中で細かく描かれた為、ドラマを見ていないと時空間に干渉するものだと言う事への感覚が入りづらいかも知れない。
本作の良かった点
・作中のテンポが良い
・キャラクターの演技が良い
・コメディが多い
の3点。
上映時間が100分程度の為、ちゃんと物語を描けるのか心配だったが、テンポの良さで見せていった為、時間に対する満足度はかなり高かった。中弛みしないのが良い。
また、キャラクターの演技が良い。主演の3人、特にカマラを演じるイマン・ヴェラーニの表情はオアシスのように話しを軽くさせる。ただ、綺麗に描き過ぎている所もあるような気もするので、もっと一回ギスギスしても良かったような気も……。
コメディパートは、歌が言葉の世界、グース達のポップスリラー、カーン家の人々など、作品を見る中での清涼剤のような役割を果たしてくれた。猫映画は良い。
ただ、個人的にマイナスを感じた点は
・緊張感が乏しい
・工業的SFにリアリティが乏しい
がある。
敵側に対する絶望感が希薄なので(そもそも完全に悪者って訳でもないし、復讐に近いのでややこしい)どうにも敵と対峙した時に緊張感が乏しい。
もっと、モブを蹂躙する時に「あれを喰らった死ぬ可能性」を示唆してくれないと緊張感がない。
あと、アラドナ資源奪われたけど、その後どうなったん?
また、個人的に許せないのがクリーの宇宙船の形。
縦長なのは良いのだが、重力圏に入った後、小型の船がパージして横向きになる。そんな事あるか? 船の設計としてありえなくないか? SFすぎると歴史を感じられなくなるので、やるなら宇宙空間だけにしてくれないと……。
まぁ、色々書いたが、作品としては楽しめる作品だったと思う。
何より次に繋がるCパートシーンでは、
ケイトビショップやXメン、マリアランボー版キャプテンマーベルの示唆がされ、ようやくMCUが再出発をしてくれそうな雰囲気も感じられた。
近年の作品では若干裏切られる事も多かったので、本作にはかなり満足している。