「悲しみを越えて」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しみを越えて
初っ端からティチャラのお葬式で、悲しくなってしまいました。ティチャラ、そしてチャドウィックボーズマンのいないブラックパンサーは、やはり寂しい。オープニングロゴとラストの思いを馳せる走馬灯のような回想には涙が堪えられませんでした。特に本作であまり笑顔を見せないシュリがティチャラといる時は本当に楽しそうな表情をしていて、心打たれました。
タロカン族登場時はつい、「あれ、アバター観てるんだっけ」と思ってしまいました。上映前に『アバター ウェイオブウォーター』の予告編が流れたので余計に思考が乱されました笑
海に住むもの=青色の肌という定型があったりするんですかね…海に溶け込む色で綺麗ではありますが。あまりにもアバターなので、別の色でも良かったかも。私の好みだと白とかどうかなと。海にも映えそうだし、黒対白で画面が締まりそうです。
タロカン族の過去回想はちょっと早足…『ソー:ラブ&サンダー』でも同様に感じましたが、MCU自体があまり敵を詳しく描かない傾向にある気がしています。敵が魅力的だと作品がぐっと良くなると思っているので、もう少し深掘りして欲しかったです。それこそ前作『ブラックパンサー』でのキルモンガーの描写はシリーズ随一だったと思います。ネイモアは今後に期待していきたい。
まさか1作品でお葬式を2回も観ることになるとは…。シュリには辛すぎるし、更にはブラックパンサーを継承することになり、背負わせすぎに感じてしまいました。
継承の儀式で会うのがキルモンガーだったのは驚きでした。その後のネイモアとの決着までの流れでシュリの葛藤と決意を示すところが良かったです。
ただ、全体的には予想しやすい展開。にもかかわらず重く暗い雰囲気が抜けないため、爽快感があまりない。序盤のシュリとオコエさんとリリが一緒にFBIから逃げるあたりが一番ワクワクしました。
シュリとのやり取りがかわいかったリリウィリアムズ、MITの学生と聞いておっ!となりました。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の彼らと関わることはあるのでしょうか…。彼らとも仲良くなれそう。アイアンマンのオマージュっぽいのもちらほら。ここにも継承を感じました。ディズニープラスで彼女が主役のドラマも決まっているそう。
笑った場面はリリの「悪役はドレスに着替えさせる」と、ミッドナイトエンジェルに対するオコエさんの反応。シュリは厨二的なネーミングが好きなのでしょうか笑
あと今後気になるのがヴァル。どこかで見たようなと思ったら『ブラックウィドウ』と『ファルコン&ウィンターソルジャー』でも少し出てました。人を唆してヒーローと敵対させているイメージなのですが、意外と今後の重要人物になるのでしょうか。ロス捜査官の元妻という意外なサプライズ。
悲しみを乗り越えて継承していこうという製作陣の強い想いを感じる作品でした。