「侵略」劇場版「オーバーロード」聖王国編 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
侵略
結局は世界統一の為の計略なのだろうか。
デミウルゴスってのが参謀だとして、彼が企てた聖王国攻略の一部始終って感じに見えた。
骸骨が語る訓示には、説得力もあるのでいい奴なのかとも思うのだけど、数千万の屍の上に君臨するアンデットの王で間違いないのだろう。
人の命にさほど興味もなく、勝手に増殖していく何かに見えるのかもしれない。
ただ、裏で全ての糸を引いてる風にも見えず、屍の王に心酔しているデミウルゴスが黒幕でいいんだろうな。
ともあれ、なんだかんだと能天気な王の会話を聞いていたら、向っ腹もたってくる。
全てを承知の上であの物言いなのだとしたら、とんだ腹黒野郎だ。善人面して…面は善人ではないな。
ガイコツだからな。
まぁ、なんせ気に食わない主人公ではある。
おそらく「世界平和」みたいなものが最終目的にあって、それに絡む犠牲は厭わず、むしろ尊い犠牲くらいに変換しているのだろう。その犠牲に微塵の興味も示さねば残忍と言ってもいいのだと思う。
洗脳されてく弓使いは、使い勝手のいい傀儡だ。前半はその境遇に同情もするが後半は気持ち悪かった。
で、ファンでもなんでもない身からすると…盛り上がりに欠ける話しだった。
戦闘シーンはエフェクトだけとかだし、魅力的なキャラがいるわけでもない。
その国に夥しい屍を築いておきながら、自分は英雄として崇められる立場を手にする極悪人の話だし。
正義という言葉が幾度となく連呼されるけど、戦争ってのは正義と正義がぶつかるから起こるわけで…。
正義の所在は立場によってコロコロ変わる。
争いの原因こそがその「正義」なのだよ。
昔、チラッとだけ漫画を読んでた事があったからNetflixで見てみたけど、なんとも後味の悪いというか、後味が不味くて何度も吐いたけどそれでも気持ち悪さがなくならない作品だった。
◾️余談
なるほどとも思うのは、分かりやすい絶対悪を表面上はクリーンな形で排除すれば大衆は歓喜し受け入れやすくなるんだなぁと言う事だ。
…2025年の今もこんなシナリオが進行しているのかしら?腑に落ちないくらいわかりやすいっちゃあ分かりやすいんだよなぁ。
