「安心してみていられる」ファイナル・プラン 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
安心してみていられる
悪役がいい。学生時代にアメリカンフットボールで鍛えたみたいな体型に顎の大きな悪役ヅラだ。このジェイ・コートニーというオーストラリアの俳優さんは、なかなかの存在感である。これからも悪役で活躍し続けそうだ。
今回のリーアム・ニーソンは珍しく泥棒の役。基本的に善玉の役しかしないから、敵はそれ以上の悪役となり、当然のように悪徳警官がその任を果たす。警官がFBIなのは、現金を強奪したのが複数の州の銀行だからだろう。
相変わらず家族第一主義のアメリカ映画だが、今回の家族は新しい恋人である。ケイト・ウォルシュは53歳だが、本作品ではかなり若く見える。演じたアニーは大学院を卒業しようという年齢だから、卒業がどんなに遅くても30歳より前だ。大胆な配役だが、撮影当時68歳のリーアム・ニーソンに合わせたとも言える。ハリウッドの俳優陣はいくつになってもとても元気である。
ストーリーはアクション映画の例にもれず、絶望的な状況に陥った主人公がこれまでに培った力量ととっさの判断力を発揮し、幸運にも助けられて危機を脱出する話だ。予定調和だから安心してみていられる。マイヤーズ捜査官役のジェフリー・ドノヴァンがいい味を出していた。
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