「台湾の小説っぽい」花椒(ホアジャオ)の味 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
台湾の小説っぽい
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不思議なオープニングなんだよね。なんかのお祭りで人の好さそうなおじさんが「お前も輪に入れよ」って感じで手招きしてるんだけど、多分、呼ばれた人は入ってこないのね。それで、おじさんは少しだけ寂しそうみたいな。
場面が変わって、セールス電話への対応で如樹のキャラを起てるんだけど面白いね。銀行からのには「一億円融資して」だし、エステからのには「色々試したんだけどまだ140kgあるの」で返して。
それでお父さんが亡くなるんだよね。携帯を観てたら如枝、如果とやり取りしてて、二人共「お父さん」と呼んでる。どうも異母姉妹がいたのかって。
如枝役のメーガン・ライが綺麗だった。それ観てるだけでも良い映画。
ここで三姉妹で大揉めしても良さそうだけど、ほぼ揉めないんだよね。みんなお父さんが大好きだからかな。お父さんも香港・台湾・中国で女を作ってるわけだから、考えようによっちゃ酷いんだけど、結局、お父さんはあらゆる人を愛するんだね。それで納得する感じ。
それで色々あって。「もう一年経つのか」って三人でご飯を食べてるとお祭りが始まるの。冒頭のお祭り。一年前にお父さんがそこで呼んでいたのは如樹だったっていう。
そのとき如樹はお父さんに怒ってて、その場を離れちゃってたんだね。
今の如樹は「お父さん。もう怒ってないよ。いまはとっても会いたいよ」って叫ぶんだけど、ここで涙腺崩壊を堪えるのが必死。
淡々と娘三人を描いていて、佳作って感じで良いなって思ってたんだけど、ラストの涙腺崩壊がきて、名作だと思いました。
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