「やっぱり死にたくない、もしくは愛されたい」愛について語るときにイケダの語ること 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり死にたくない、もしくは愛されたい
あまり悲観的な話にしたくないという本人の希望があったのか、生前のキャラ的に周りが忖度してこうなったと思うんですが、話にまったく悲壮感がないんですよね
ガンで死ぬのに終始カラっとして明るい
風俗嬢相手に性欲を満たすシーンが何度もあって、そのバカバカしさに思わず笑ってしまう
で、気付いたら映画が終わっていました
本人が息絶えるシーンもありません
これは好みかもしれないんですが、それでもやっぱり死にたくないとか、もしくは風俗嬢じゃない金の介在しない女性に愛されたいとか、本人がそう思い直す瞬間が見たかったですね
生(性)に対する執着心、本音を見たかったです
障害者であることで周りに迷惑をかけたくない、情けをかけられたくないから本音を言わなくなった人間に見えたので尚のことです
1人、友達以上恋人未満の女性が出ていたのですが、それはプロデューサーが仕込んだ女優さんだったそうです。それも完全な蛇足だなと思ったんですが、もしかして最後はフィクションを越えてノンフィクションになるのかな? 本当の恋人になるのかなと予想しても、期待は裏切られる形に終わりました
最後にハグしてもいい?
女優からのリクエストに応えて本人とハグするシーンで映画は終わったんですが、あれは脚本に書かれていたのかプロデューサーからの指示だったのか、それとも女優の本心から出た言葉だったのかを舞台挨拶があったので女優本人に質問したかったんですが、質問コーナー自体が無かったので消化不良なまま帰宅しました
アンコール上映で真野さん佐々木さん毛利さんのトークショーを見てきました。
最後のハグは女優の毛利さんのアドリブだったようです。しかも、実際は一瞬のハグだったのですが、佐々木さんの編集で3倍程の時間に長くしたそうです。映画のラストを飾る重要なシーンにしたかったようです。そもそも毛利さんとのデートシーンは全て台本があって本当は毛利さんの告白を受け入れ二人は恋人になるシナリオだったはずが、池田さんの意向であの形になり、毛利さんの計らいでハグになったようです。毛利さんは、池田さんが本音を語った時にこれまでとは違う空気になった。その後も撮影できたなら、池田さんとの関係が別のステージに上がって、また違う形で対峙できたんではないかと語っていました。若いのにとても懐の深い女性だと思いました。