「寡黙なテーラーの心情が慮れる」テーラー 人生の仕立て屋 ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
寡黙なテーラーの心情が慮れる
クリックして本文を読む
寡黙なテーラーであるニコスが何を思ってるのか、寡黙がゆえにわかりにくい。テーラーの仕事に誇りはある、しかし上得意は次々鬼籍にはいり、テーラーとして生きていくのは厳しい時代に、ニコスは起死回生の移動式服屋を始める。
最初は車輪をつけ、そして自転車、バイク、さらにはと、ニコスの移動式服屋は変化していく。そして商品も当初こだわっていた紳士服から、女性もの、そしてウェディングドレスへと需要のあるほうへ変わっていく。
シンプルなストーリーだけどなんせニコスが極めて口数が少ないので、その分、表情や描写によってうかがう場面が多くなるし、そこがこの作品の魅力かなと思う。饒舌じゃない分、味わい深くなる。
そして、確かな技術とセンスをもつということがいかに強いかを感じる。それがあったからこそニコスは新しい商売に漕ぎ出せる。そういう姿は見ていて心地よいし、ギリシャの風景も魅力的で、なかなかによい作品だなと思った。
コメントする