「コロナでテレワーク全盛だからこそ、今観たい映画。」テーラー 人生の仕立て屋 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナでテレワーク全盛だからこそ、今観たい映画。
今年115本目(合計179本目)。
今週(9月3日の週)は、外国映画祭りなんでしょうか…。「アナザーラウンド」のデンマーク語に始まり、こちらは「ギリシャ語」(ただし、下記参照)。それどころか、ギリシャを舞台にした映画って、それこそ「オリンピックネタ」か「古代ギリシャ文化」くらいの類型でしかみないし、この映画「そのもの」はギリシャでなくても成り立つところ、ギリシャが舞台というのは、結構珍しいなという印象です。
ストーリーはもういたってシンプル。「特集」と予告動画で90%以上わかるので、ネタバレというネタバレが存在しません。一方、他の方も書かれている通り、序盤と終盤にかけて、妙にセリフが少なく、「映像で理解する類型なのかな…」という点は思いました。
翻って日本を観ると、こういうお店は存在しないし(道路を勝手に使ってはいけない、という行政法規があるため)、また、タイトルにも書いた通り、このご時世、テレワーク全盛で、中には24時間監視している会社もあるそうですが、普段ならスーツ着用の会社もテレワークならスーツも何も要求されないので(極論、Tシャツでもポロシャツでも何でも問題にならない)、このご時世で高級服を扱うというのは「現在の日本のご時世」では、どうしても需要が少なくなる点は否めませんが、一方で社会人マナーとして何かあったときにスーツを着るのもまたマナー。今はこのご時世なので忘れがちですが、ギリシャを扱うというかわった設定もあり、今週一押しかな、と思います(9月3日の週では本命の線には入る)。
なお、首都アテネ以外にも、色々な場所を主人公は「移動式テーラー屋」で移動しますが、中には聞いたこともない地名が登場します。この点は公式サイトに「このご時世だからこそ映画内でギリシャ旅行」とか、「映画内に出てくるギリシャの各都市の紹介」というページが別に作られているので、事前に公式ホームページを観るのをお勧めします。
採点は下記が気になったものの、真相がよくわからず、減点対象にするのは好ましくないので、5.0(フルスコア)としています。
--------------------------------------
(判断保留/減点なし) この映画、ギリシャがテーマなので、話されている内容は英語ではありません(英語でも何でも、ある程度語学の知識があれば、フランス語か、イタリア語か、スペイン語か…という点はだいたい推測がつくようになる)。おそらく、ギリシャ語ではないか…と思えます。
一方で、この物語の「お手伝いさん」として登場するお子さんが「宿題手伝ってよ」という点は、字幕内では《…》と、別言語(《》でくくられている)を示唆しており、その中では「ギリシャ語は嫌い、動詞の活用が複雑だから」みたいなことを言っています。
すると、複数の言語があることを考えると、反対解釈すれば「ギリシャ語とそれ以外の言語」があることになるのですが、何の言語か不明でした(日本でも、日本語以外にも方言と言えるほどや、沖縄方言など、外国視点では別言語と言えるものもあるので、方言という可能性もある?)。
これらはストーリーの理解や評価には一切関係しませんが(ギリシャ語でも何語でもストーリーには一切関係しない)、妙に気になりました(ギリシャでは現代ギリシャ語が第一言語なようですが、方言のレベルの別言語なのか、まったく違う言語なのか不明。数は少ないながら、ギリシャ語の看板の文字(ギリシャ語なので、αとかβとかγとかが出る)も登場し、すると反対解釈で「もう1つの言語は何?」ということになります。
--------------------------------------
お隣のオルガさんと娘、タクシー運転手のパパはロシアからの移民でという設定です。本作の字幕、ギリシャ語監修の柳田さんによると、ギリシャは思い外、ロシアと距離的に近く、移民が多いのだそうです。