劇場公開日 2021年9月3日

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「【ギリシャから、なんか良い話】」テーラー 人生の仕立て屋 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【ギリシャから、なんか良い話】

2021年9月4日
iPhoneアプリから投稿

ヨーロッパ危機、場合によっては、ギリシャ危機と言われたあたりで、ギリシャが経済的な危機に瀕していた頃に時代設定した物語だ。

今は随分、景気も持ち直して良くなったと思うけど、当時は社会保障費の大幅削減とか本当に大変だったのだと思う。

一部にはアテネ・オリンピックなんか開催して金使い過ぎたとか言われていたけど、リーマンショックなんかの悪影響もあって、イタリアやスペイン、ポルトガル、アイルランドなんかも似たような状況で、豊満財政は本当に国民の利益にならないと思った。

(以下ネタバレ)

店舗を構えた紳士服のテーラーから、発想転換して、移動式テーラー、婦人服の仕立て、そして、最後にウェディングドレスの仕立て屋に展開していく様は、もし事実で有れば、ちょっとしたビジネスのケーススタディとして取り上げられても良さそうな話だ。

日本では、店舗を構えずキッチンカーで営業するお店も多くなってるように思うので、ちょっと似てるかもしれない。
コストは安いし合理的だ。

無口で几帳面、朴訥としたニコの人柄も魅力的に映る。

父親と共同経営で、従属的だったのが、自立して、だんだん表情が自信に満ちていくように見えるのは、僕だけだろうか。

ロンドンで勉強していた頃、同じコースにギリシャ人の富豪の息子がいた。
ゴージャスな雰囲気で、家にはフィリピン人のメイドがいて、部屋も食べ物も与えているので、給料は払わないと言っているのを聞いて、ギリシャは差別主義なのかと腹も立ったが、当時、唯一の楽しみだった読書で、村上春樹さんのギリシャ滞在体験記の「遠い太鼓」は本当に面白くて、いつかギリシャに行ってみたいと、興味の方が、腹立たしさを上回るようになった。

それで、念願かなって、アテネ・オリンピックの少し後ぐらいにギリシャを旅行したが、やっぱり良いところで、日差しがキラキラ眩しくて、でも、リーマンショックを経て、ギリシャ危機が起こって、けっこうショックだったことも思い出す。

なんか、ギリシャ映画って珍しいよね。

切なくて、ユーモアもあって、笑えて、そして、優しさを感じる作品だった。

ワンコ
talismanさんのコメント
2021年9月4日

ギリシャ!行ってない所がまだ沢山あります。ギリシャもいつか行きたいです。

talisman
talismanさんのコメント
2021年9月4日

おはようございます。店名も「(お父さんの名前)& his son」みたいなのから自分を堂々と前に出すものに変化してましたね!

talisman