劇場公開日 2021年7月9日

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「往年の香港映画みたいだ」唐人街探偵 東京MISSION 熱帯雨林さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0往年の香港映画みたいだ

2021年7月23日
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鑑賞方法:映画館

東京が舞台の中国映画だという理由だけでの鑑賞。シリーズ物の第3作だったことも知らなかったほど。で、ところどころの日本の描かれ方が超和風。非常に和風じゃなく、和風がぶっ飛んでいる方の「超」。でもそんなもんだよね、洋画にはもっとひどいのもあるし。外国映画にしては非常にまともな描き方の方だと思う。また日本を揶揄するのも自国観客には必要だしね。「日本人はきれい好きだから」という、ある場面でのセリフには大笑いした。日本人ならやりそう。絶対やらないけど、ハハ。

ストーリーは香港製お笑いを引き継ぐおバカ映画かと思っていたら、犯人・殺人の方法・動機がわかってくるあたりから、シリアスな展開に。どちらかと言うと、最初のノリのまま、おバカな動機で終わってほしかったけれど、こういう展開もありだと思う。でも中国と日本以外では、動機が何なのか根本的にわからないはず。

ところで、いくら金をかけたんだ?渋谷の交差点を別ロケーションで再現?エキストラはどれだけ必要だったんだ?加えて、秋葉原の場面は道路封鎖して撮ってるよね。また、見覚えのある場所だなぁと思ってたら、ボールを道路にぶちまける時の背景だけのために、東京からはるばる私の住む所にロケーションに来てたか?全体の尺からいうとほぼ一瞬じゃないか。で、特徴のない普通の街なか風景のどの辺りが必要だったのかロケーション選定者に聞いてみたい。でも、百貨店のある旧居留地あたりの市中心部の交通を遮断してなきゃ撮れない画像。しかも、ストーリー的には無くても良い場面。ボール氾濫のくだりは完全にカットしても話はつながる。むしろ、その方がスッキリする。ま、映画撮影にはできるだけ全面協力しますという方針の街だけど。他にも日本映画なら、道路使用許可が無理だから、金がかかるからと諦めているであろう場面が多数。そんなことは知らないね・関係ないねの中国映画、すごいことになっているなぁというのが感想。で、なんとかしてしまったのがすごい。話は変わるが、ブラックレインのリドリー・スコット監督、日本では(大阪ではだったか?)、手続きの煩雑さに懲りて二度とロケーション撮影はしないそうな。

エンドロールのエキストラも含めた全員でのダンスシーンも楽しい。出演者も楽しそうだ。風呂場の出演者はやけくそで踊ってるのかも知れないけど。上映時間が2時間以上有っても長いとは思えない映画だった。第1作・第2作もレンタルされているなら観てみたいと思う。

熱帯雨林