「高速推理×ヤクザ×莫家拳×ムエタイ×ペガサス幻想×長澤まさみ×探偵学園Q」唐人街探偵 東京MISSION 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)
高速推理×ヤクザ×莫家拳×ムエタイ×ペガサス幻想×長澤まさみ×探偵学園Q
もうちょっと情報量が多すぎて意味が分からんです。
開幕三分で空港で乱闘。
ザイル系BGMでお兄ちゃん達の戦いが始まったと思ったら、CAまで参加してスーツケースを飛ばしバトル開始。
たん…てい…?
とボーゼンとなるこちらを置き去りにしたまま、天才青年探偵&おじちゃん(じつはつよい)はハッテン…ヤクザの集会所である銭湯の大ボス、三浦友和に会いに行きます。
三浦友和は敵対する組のボスを殺害した罪に問われている。
その罪が冤罪であることを証明するのが天才青年探偵&おじちゃんの役割のようです。これが冒頭。
実はこの『唐人街探偵』はシリーズの三作目。
一作目はバンコクを、二作目はNYを舞台に中国本国でも記録的ヒットを飛ばしたようです。
日本未公開。ふざけんな。
メインの天才青年探偵。
推理能力もアレですが、脳内の情報処理能力がけた違いにヤバいです。
この作品、実は金田一少年と探偵学園Qの原作者:天樹先生もちょい役で出てたりしますが、
多分彼の手がけるどの作品の主人公達よりもスピーディに情報開示してくれます。
…ってか、日本の推理モノが二次元も三次元ももったいぶる構造なのが悪いのか。
天樹先生、ごめんなさい。ただの文化の違いかもしれん。
その探偵の叔父さん役の謎のおっさん。
マスコットキャラのように探偵の傍らでちょこまかしたり、長澤まさみに惚れたりしますが
(なお、まさみ登場の場面では謎の懐メロ中国歌が流れる)
実はかなりの武術の使い手みたいです。
相撲取りとサシで勝負する場面がありますが、動きがすげえです。惚れます。
たまに出てくるムエタイの人。
洋画ファンならもしかして、今作では謎の胡散臭い日本人探偵役をやってる妻夫木聡より
ご存知かもな方です。トニー・ジャーです。マッハとかトムヤムクンとかモンハンとかのあの人です。
途中まではコミカルな役柄ですが、中盤の八艘飛びの場面とかむちゃくちゃかっこいいです。
なおこの人も探偵役ですが、その真価が発揮されたのは最後の最後ですね。
メインだけでも多国籍メンツですが、
ちょいちょい国の違いが文化や発想の違いというような描写があって面白かったです。
天才青年探偵&おっさんの移動手段(中国代表)→足
ムエタイの移動手段(タイ代表)→水上スキー
妻夫木探偵(日本代表)→ヘリ
海外映画における日本人の描写って、相変わらずバブル期で止まってんのか…
あ、でもこの映画の妻夫木探偵はかなり良いキャラです。チャラいけど。
シナリオ自体はまあ王道かな?というところですが、
逆にわかりやすい展開なので禍根を残すようなものもありません。
カメラワークについても、
よく推理ドラマでの”種明かし”がのっぺりとした平面的な描写になりやすいこと(探偵のセリフで全部語られてしまうか、犯行再現ビデオで全部語られる形)と比べ、
視覚を用いた立体的でわかりやすい描写となっていたことが現代的で非常に面白かったです。
あと、長澤まさみさんの演技が素晴らしい。
あまり上映館は多くないようですが、視覚的にも面白い作品なのでぜひ映画館で。