この茫漠たる荒野でのレビュー・感想・評価
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ニュースの読み上げ業
南北戦争が終わった頃のテキサス、主人公(トム・ハンクス)は皆んなの前で新聞を読むことで生計を立てていた。
移動中に金髪の少女を見つけるが、幼い頃インディアンに拉致され、英語が話せない。
伯母夫婦に届けようとロードームービーが始まる。
アクションもあるが心温まる感動作だ。
この女の子の演技はトム・ハンクスに負けないです。
トム・ハンクスの渋い演技は安心して作品を観られますね。
ネイティブアメリカンに育てられた孤児の女の子を
親族の元に送り届けるいわゆるロードムービーですが
この女の子がすごくいい演技をしてくれます。
英語をしゃべられずコミュニケーションをとれないので
なかなか意思の疎通ができないけれど
ある出来事から心を開いて打ち解けていく様が
ものすごくいいじゃないですか、ホントに。
難しい役どころですが、トム・ハンクスに負けじと印象付けてくれました。
ラストシーンも感動で、あの笑顔に心が弾けちゃいました。
みんな大好きトム・ハンクス♡
とはいえ
この映画はトム・ハンクスの無駄遣いだわ
これは他の渋い俳優なら誰でもいいじゃん
少女はあの子じゃなきゃダメかもだけど
しかし、アメリカの大陸は広くて危険がいっぱいで、銃を扱う習慣も致し方ないのだな…
今もなお肌身に銃が必要な世界なんだな…
と、少女の撃ちっぷりでそう思ったのでした
正直映画としては面白くなかった!!
夢の工場の後継者
ボーンシリーズやユナイテッド93といったクオリティ高い佳作をコンスタントに監督しているグリーングラス監督がNetflix。もう世の中どうなっているのか。Netflixがいまや名作連発の夢の工場として、ハリウッドを凌駕するスタジオになってしまっているのか。
ジョン・ウェイン好みの王道のロードムービー人情西部劇。モチーフとしては使い古されているものの、グリーングラスの骨太な語り口に引き込まれ最後まで観てしまう。特に砂嵐のエピソードの幻想的な描写は、この作品を只者では終わらせない感動で、震えを止まらせない。
原題は「世界のニュース」だが、なんだこの邦題は。あまりに文学的すぎて、かなり頭でっかちな担当者が考えたものじゃないか。昭和が終わって、邦題のつけかたがどんどん退化していっているようだ。
新聞の今昔
がんちくあるツイートで多大なフォロワーをゆうする人物が先月(2021/01)『新聞、月5,000円も払って昨日のニュースが紙で届くってやばいな』とツイートしてトレンド入りした。
わたしもなるほどと思った。
トムハンクスが演じているKidd大尉は南北戦争に出兵した退役軍人で、町をわたり歩いて新聞を読み聞かせることで生計を立てている。
時は1870年。
映画から推察すると、馬で行き来する大陸の町々においては、外界の情報といえば旅人の話ぐらいなものであっただろう。そんな世界と時代をかんがみれば「新聞を読み聞かせるしごと」が興行か行商のような役割を果たしていたことが容易に信じられた。
一定の周期ごと町へやってくる彼にたいして「またKiddさんが来た」が町民の楽しみのひとつ、人気と敬意で迎えられる対象だったことは、疑いもない。
Kiddが読み聞かせるのは、とうぜん数日前のできごとである。ばあいによっては、もっと古いできごとのはずである。なにしろ世界の最新の情報をたずさえているひとが、各地の新聞を取り置いて、馬車にゆられて町を巡っているわけだから、情報に鮮度なんか、ないわけである。
とはいえそれはつまらないニュースだったろうか?見たところKidd大尉の読み聞かせ会場はいつも満席である。ニュースにはみじんも退屈はなかったはずだ。むしろすべてが「血湧き肉躍る世界のできごと」だったはずだ。信じられないほどの価値を持った情報だったにちがいない。
映画の冒頭で、かれの仕事「新聞の読み聞かせ」の前口上がある。かれはこう切り出す。
『またこの町にきたJ・K・Kidd大尉です。今夜も世界の出来事をお届けしましょう。みなさんは朝から晩まで忙しく働き、新聞を読む暇もないでしょう。わたしにお任せを、どうか今夜は面倒なことは忘れて、世の中の出来事を知っていただきたい』
「忙しくて新聞を読む暇もない」とは、庶民の識字率に配慮した物言いである。すなわち、字も読めない、新聞をとる経済的余裕もない、どこへも行けない庶民がいるからこそ、Kidd大尉のしごとが成り立っているわけである。町民にとって新聞の読み聞かせが世界のすべてだったとしてもふしぎはない。
冒頭で引用したツイートは牽強付会だが、今後、新聞は消えるメディアでもあり、新聞社自体が、もはや新聞業で稼いでいない。月5,000円の紙は確かにやばい。ただし(ニュースが)もっと早いほうがいいか、もっと多いほうがいいいかといえば、そんなことはない。
わたしたちは、働いて食べているが、ぶっちゃけ、働いて食べる半径以外のことについて、即時に知らなければならない──ことはない。
情報の発信者や、それを扱うしごとならば話はべつだが、ほとんどの庶民にとって、ほとんどの情報がじぶんに関連をもたない。わたしたちはホリエモンと対談する予定があるわけじゃない。われわれが情弱だからと言って、われわれの仕事にどんな影響があるだろう。クイズダービーの篠沢教授と同じで、じぶんの仕事をまっとうしているならば、無知でも、なにも困りはしない。
1870年から150年の間に比べようがないほど変化したが、映画が言っているのは「世界と自分」との関係についてである。
「世界」とは大尉が読み聞かせる新聞のなかの世界のことだ。「自分」とはひょんなことからドイツ少女を拾った大尉の個人的な事情のことだ。
これは現代にも転用できる。たとえばインターネットは世界じゅうの人々とつながれるとされている。しかしみなさんもご承知の通り、それを何年やって、誰とつながれました?インターネットのような茫漠たる世界と比べたらじぶんの世界はちっぽけだが、ちっぽけだけれど、それが自分の世界の総てであることに違いない。それが「世界と自分」である。わたしは、そう転用したが、それは牽強付会だとは思わない。そもそも、Kidd大尉が偶然出会った少女Johannaとゆるやかに打ち解ける絆を描いた映画のタイトルが『News of the World』である。
「世界と自分」をあらわすことによって、映画が言いたかったのは、南北戦争後の秩序が乱れた時代、世界は混乱しているが、それに便乗したり惑わされたりせず、まっとうに生きなさいということ──ではなかっただろうか。
ひるがえって現代といえども、世の中はいろいろなことが起こるが、それらは、わたし/あなたに関係ないから、じぶんの生活や大切なひとをしっかり見つめなさいという映画だとわたしは思った。のである。
見終えて俯瞰するとこれはKidd大尉の戦争後遺症の映画であったと思う。戦場での過酷な体験と留守中の妻の死をへて人間性をわすれた生真面目な大尉が少女との邂逅をつうじて、ふたたび生きようとした映画だった。
「君も私も心の闇と対峙する旅になるな」
《家》道を知ってるから --- 危険な道のり。南北戦争後、次々と降り掛かってくる困難に銃の腕と機転、人生経験で立ち向かう。この物語、気に入った。西部劇の、そしてこの監督の、新たな傑作が誕生した。誰もが見て、考えて、感じるべき本物のドラマと普遍的な感動が沁み渡る。いついつまでも確かに心に残る。
ポール・グリーングラス監督 × トム・ハンクス主演 = 骨太『キャプテン・フィリップス』コンビ、今度もキャプテン。(毎度ながら)めちゃくちゃ格好良くて頼れる。世界一愛される名優のベテランと呼ぶに相応しい良い歳の重ね方、父性を仮託されるような佇まいがただただいい。
一見何気ないやり取りや瞬間にも、キャラクターの関係性の変化や感情の機微、情緒がしっかりとある。馬車で交わされる会話、セリフが深い。そうした、ゆったりと進むリアル志向と時折のダイナミックな撮影やVFXなど現代的な映像表現を最大限用いての見せ場での、落差というかあからさまな温度差は、一作品の中で少し戸惑うほどギャップを感じるけど、それも一種エンタメ娯楽性を持たせる工夫というか、効果的だと思った。
日々の問題を忘れて、しばし本作に没入する。町を回ってはニュースを読み聞かせる主人公キッド役。字は読める、ということを活かしたこの生業。時代だな。読まれるニュースにもちゃんと意味がある、すべてつながっている。
主演二人の名演。いや、本当にこれは主演男優賞ばかりか主演(助演?)女優賞もあるぞ。カイオワ語を話すジョハンナじゃなくてシカダ、素晴らしい若手。大尉はすごいことをした♪物語する?物語!物語!翻弄された時代を恨み、最愛の人を悼み、また帰ってくる。そして、ほっこりニヤリ。以上、世界のニュースをお伝えしました。
I like your stories.「鉄道はあっちだ、君の人生を歩め」苦しみや殺戮から遠くへ、過去に戻るのは良くない。リアン〈まっすぐ前へ進むために、まず思い出すこと〉This is your home now. すべてを忘れ去ってほしい She likes stories. 殺戮と流血の4年、子供を持ちたかった、それなのに「我々は戦う義務があった。我々は戦い、彼女は死んだ」〈君は私といるべきだ〉死んで葬られた男が墓地から蘇った、死がふたりを分かつまで、嘘っぱちだ!
アメリカの理想は、きっと、トム・ハンクスのような社会を作ることなん...
アメリカの理想は、きっと、トム・ハンクスのような社会を作ることなんだろうな・・・。
バイデンの就任式の司会進行を務めていたが
、象徴的なキャスティングでしたね。
振り返れば、善意のアメリカを体現する映画ばかりに出てますものね、
もちろん、この映画も、アメリカの良心を描いています♪
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