「シットコムへの憧れ」ワンダヴィジョン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
シットコムへの憧れ
ヴィジョンは死んだはずでは?という疑問を持ちながら、モノクロームのシットコムを楽しませてくれる1話2話。多分MCUからは離れて、こんなシチュエーションだったら?という目的なんだろうとタカをくくっていた。まぁ、それはそれで面白いんだけど・・・
ところがどっこい、3話あたりから急にMCUでかつて登場した脇役たちがお目見えする。『アントマン&ワスプ』でスコットを監視するFBI捜査官ジミー・ウー(ランドール・パーク)、『マイティ・ソー』シリーズのジェーンの親友だったダーシー・ルイス(カット・デニングス)、それから『キャプテン・マーベル』で女性パイロットだったマリア・ランボーの娘モニカ“おてんば隊長”が大人になった姿で登場。やっぱユニバースの広がりと繋がりでワクワクさせてくれるんですね!
ヴィジョンはたしか死んだはずだし、ワンダだってサノスの指パッチンで消えた経緯がある。指パッチンに関してはモニカのエピソードが涙を誘う。原作は知らないので、9話まで見ると、モニカのためのストーリーだったんじゃないかと思うほどで、キャプテン・マーベルの後のエピソードが作られるならモニカも重要な位置を占めるはず!
もちろん全9話からなるドラマの中心はワンダとヴィジョンの物語なのですが、ビジョンの謎、そして千人以上が暮らす郊外のウェストビューそのものの謎が多角的に解明されていく展開。しかも、3話以降がトリッキー過ぎてドキドキが止まらなくなってしまいます。ダーシーの物理学者としての能力はマイティ・ソーではお笑い担当だったと思うがここでは存分に発揮され、ウー捜査官の探求心、モニカの行動力にも感心させられる。
それにしてもワンダの能力は凄い!『インフィニティ・ウォー』では悲しみと怒りのために、サノスにトドメをさすことは出来なかったが、このドラマでは見終わって全体を見渡すと、その能力が凄いこともわかる。しかも敵を倒すためじゃなく、家族を守るための壮大な超能力。そして、その陰にはSWORDという組織内の悪だくみも露呈させていき、能力を持ったために平和に暮らすこともできないヒーローの悲哀をも感じさせてくれた。満足。